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新時代の金融は「共感の連鎖」から生まれる

SB2019Tokyo

セッション「世界に、地域に変革を起こす金融システムとは」。左から第一勧業信用組合の新田理事長、グラミン日本の菅理事長、ファシリテーターの鵜尾氏

サステナブル・ブランド国際会議2019東京のセッション「世界に、地域に変革を起こす金融システムとは」には、2018年にソーシャルファイナンスの分野で活躍した金融マンが登壇した。第一勧業信用組合の新田信行理事長は、グラミン日本の菅正広理事長と初対面で連携を即決したと述べた。元官僚の菅氏は「財務省での生活はマイクロファイナンスをやるためにあったのではないかと思った」と語って、会場を沸かせた。(瀬戸内千代)

ファシリテーターの鵜尾雅隆・日本ファンドレイジング協会代表理事は、ゲストの新田氏と菅氏を「今後の日本の金融の形を先頭に立って変えていくお二人」と紹介した。

第一勧業信用組合(東京都新宿区)は2018年7月、リーマンショックの反省から2009年に発足した世界のサステナブル金融機関のネットワーク「GABV(Global alliance for banking on values)」に、日本で唯一加盟した。

今年2月に加盟54金融機関のCEOがそろうGABV世界大会に参加した新田氏は、多様な金融を目の当たりにして、「日本の金融機関の閉鎖性と均一性にゾッとした」と語った。

メガバンク出身の新田氏は「金融の誇りを取り戻す」ため、同信組で人物重視の無担保融資を展開。2018年の11月には日本版GABVとしてJPBV(価値を大切にする金融実践者の会)も発足した。

「祭りなどで地域商店街や町内会と交流しており、コミュニティーローンは約400ある。まだ融資実行件数は450件25億円ほどだが、一件も焦げ付いていない。共感をもって人と人とがつながること。これが価値だ」(新田氏)。

菅氏が立ち上げたグラミン日本は、バングラデシュから先進国まで130カ国以上に広がる「グラミン・ファミリー」の一員として、国内のシングルマザーやワーキングプアなどに少額の無担保融資を始める。

SDGs(持続可能な開発目標)の目標1は、「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」こと。菅氏は、「マイクロファンナンスは先進国の都会でも効果を発揮している。日本の貧困問題は隠れて見えにくいが、誰もがイキイキと生きられる社会をつくりたい」と意欲を述べた。

瀬戸内 千代 (せとうち・ちよ)

海洋ジャーナリスト。雑誌「オルタナ」編集委員、ウェブマガジン「greenz」シニアライター。1997年筑波大学生物学類卒、理科実験器具メーカーを経て、2007年に環境ライターとして独立。自治体環境局メールマガジン、行政の自然エネルギーポータルサイトの取材記事など担当。2015年、東京都市大学環境学部編著「BLUE EARTH COLLEGE ようこそ、「地球経済大学」へ。」(東急エージェンシー)の編集に協力。