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すべての社員の個性を活かすダイバーシティ変革期へ

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SB2019Tokyo

セッション「変革期を迎えたダイバーシティ――“働き方改革”から”あり方改革”へ」

「変革期を迎えたダイバーシティ」のセッションで、グロウス・カンパニー・プラス山岡仁美社長は「あらゆるマイノリティを巻き込まないと社会も経済も成り立たない。表層的でない本質的な改革が求められている」と投げかけた。ダイバーシティというと、女性活躍や障害者雇用、性的少数者への制度見直しの取り組みなどがある。だが、これからは社員一人ひとりの個性を活かし可能性を発揮できるような組織のあり方が問われていく。(辻陽一郎)

多様な個性を活かすためにサントリーが行うのが「全社員型タレントマネジメント」だ。一部の優秀な社員を伸ばすのではなく、すべての社員一人ひとりのキャリアビジョンや適性を考慮して活躍できる環境や機会を作る。

一人ひとりが長期的な「なりたい姿」を描くキャリアビジョンシートや、失敗を恐れず意欲的な目標を設定するチャレンジ目標、さらにサントリー大学という学び、成長できるプログラムも始めている。

「個性をどう活かすか。機会を作っていくことがダイバーシティとしては大事なことと考えている」と、サントリーホールディングスヒューマンリソース本部人事部ダイバーシティ推進室の菅原久里子課長は話した。

「年齢やポジションに関係なく新しいこと・おもしろいことをやらせてみる。多様な個性を受け入れて伸ばしていくことが、人の育成になり、イノベーションを創出することにもつながる」(菅原課長)

セールスフォース・ドットコムの伊藤孝専務執行役員は企業として「イコーリティ(平等)の重要性を重く受け止めている」と語った。

社内にはイコーリティを推進するチームがいくつもある。LGBTQ(性的マイノリティ)のコミュニティやウィメンズネットワーク、環境のアースフォース、障害者の方のコミュニティのアビリティフォースなどだ。

「イコーリティは、まずは知ることから始まる。障害がある社員に気を使い過ぎてしまい、適切な配慮ができないこともある。障害当事者から本音で教えてもらうことで気づきを得ることができる」と伊藤専務は話す。

同社は、米国でLGBTQの方を差別する法令が出ようとすると会社をあげて反対するなど、イコーリティを阻害することには意見することも積極的に行なっている。

「企業のあり方としてイコーリティをとにかく推進し、ダイバーシティを強化することで化学反応が起き、イノベーションにつながる。それが企業の価値向上にもつながる」。

辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

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