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日本の海洋プラスチックごみ対策がようやく始動

漫画家ハイ・ムーン氏(京エコロジーセンター高月紘館長)の『ゴミック「廃貴物」第7集』(クリエイト日報、2012年)より

海ごみ問題に取り組む一般社団法人JEANは20日、「海洋プラスチック憲章」への署名を求める約2万3000人の請願書を政府に届けた。翌日、政府の持続可能な開発目標(SDGs)推進本部は、海洋プラスチックごみ対策を明記した「SDGsアクションプラン2019」を決定した。環境省も海ごみ関連のパブリックコメントを実施している。2019年は、循環型社会を目指す日本の海ごみ対策の実効性が、喫緊の課題となる。(瀬戸内千代)

30年近く海ごみ調査をしてきたJEANは、「先進国が続けてきた半世紀にわたるプラスチック生活が、海洋汚染を生みだしてきた責任を自覚し」「一日も早く署名を」と訴えた。請願には、一般市民のほか、日本野鳥の会やグリーンピース・ジャパン、ラッシュジャパンなど、21の団体や企業が賛同した。

プラスチック循環利用協会の12月25日の発表によると、2017年の日本の廃プラ総排出量は、前年比4万トン増の903万トン。うち58%がサーマルリサイクル(エネルギー回収、つまり焼却)、14%が単純焼却や埋め立てで処理された。

国内の環境NGOらが結成した「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」は、廃プラを輸出しないことや、焼却を「リサイクル」に含めないことを提言している。

環境省は、「プラスチックとの賢い付き合い方」を広める「プラスチック・スマート」キャンペーンを展開し、第4次循環型社会形成推進基本計画に基づく「プラスチック資源循環戦略(案)」を発表。12月28日まで意見を募集中だ。

マイクロプラスチックの発生源にもなる漂着ごみについては、「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」の改定案を示し、25日から意見募集を開始した。

東京農工大学の高田秀重教授は、WWFジャパンらが12月3日に開催した「海洋プラスチック問題 緊急会合」で、海鳥の内臓に蓄積する添加剤など、プラスチックに含まれる化学物質の挙動を紹介した。マイクロプラスチックの人体への影響は未解明としつつも、「プラスチックフリーあるいは脱プラスチックが大事だろう。賢く付き合える相手ではないと思う」と述べた。

瀬戸内 千代 (せとうち・ちよ)

海洋ジャーナリスト。雑誌「オルタナ」編集委員、ウェブマガジン「greenz」シニアライター。1997年筑波大学生物学類卒、理科実験器具メーカーを経て、2007年に環境ライターとして独立。自治体環境局メールマガジン、行政の自然エネルギーポータルサイトの取材記事など担当。2015年、東京都市大学環境学部編著「BLUE EARTH COLLEGE ようこそ、「地球経済大学」へ。」(東急エージェンシー)の編集に協力。