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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Brands, PBC)

エシカルな金でジュエリー、都内にブランド直営店

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「エシカルゴールド」と天然石を使った「R ethical」のジュエリーは、日本の職人が一つ一つ丁寧に仕立てている

公正な労働環境のもとで採掘する「エシカルゴールド」と天然石を使ったジュエリーブランド「R ethical」の店舗が11月2日、都内に初めてオープンする。R ethicalは、国際非営利組織である「公正な採掘のための連盟」(Alliance for Responsible Mining、以下ARM)が提携する小規模鉱山で採掘された「フェアマインド認証ラベル」の使用許可を日本で初めて取得したブランド。運営するR Jewel Japanの星まり代表は「暮らしの中から持続可能な未来を考えるきっかけになれば」と話す。(オルタナ編集部=堀理雄)

金の採掘をめぐっては、危険を伴う労働環境のなかで、児童労働や強制労働、また化学物質の危険な取り扱いによる健康被害や環境汚染などが各国で問題視されている。

ARMは、採掘現場における労働者の安全衛生や社会保障の担保、児童労働の根絶や生産トレーサビリティ、水銀など有害物質の低減・管理などを進める国際非営利組織だ。中南米やアジア、アフリカの小規模鉱山と独自に提携し、そこで採掘された金に「フェアマインド認証」を与えている。

R ethicalは2013年、フェアマインド認証ゴールドのラベル使用を日本で初めて認められた。販売するジュエリーは主にペルーで採掘された金を使用し、天然石などと組み合わせ日本国内の職人の手で一点一点製作されている。同ブランドのデザイナーも務める星代表は、「国内の技術を活かす意味でも、メイドインジャパンにこだわりたい」と話す。

東京都目黒区の中目黒にオープンする店舗では、テーブルと椅子を配置し、お客さんとゆったり対話できる空間づくりを工夫した

今回オープンする店舗のコンセプトは、「わたしがわたしに還る場所」だ。「忙しい日常の中で、仕事や家事に走り続けている女性も多い。そうしたことをいったん横に置いて、ジュエリーを通じて自分が本当に好きなものを見つけ、本来の自分に還れるような体験を提供したい」と星代表は説明する。

これまでは直営店舗がなく、販売場所によっては顧客も店員も立ったまま商品の案内を行うケースもあった。新店舗ではゆったりした空間にテーブルと椅子を設置し、一人ひとりに時間をかけて向き合えるよう工夫した。

フェアマインド認証ゴールドを使用して日本の職人が製作するため、原価は高くなりがちだ。しかし、「フェアトレードの金を使っているから高くてもしょうがない、と割り切りたくはない。手の届きやすい価格帯に設定している」と星代表はいう。同ブランドの通販サイトでは、リングは4万5千円~、ピアスは4万4千円~、ネックレスは2万8千円~、といった価格帯だ。

「当然払うべきものとして採掘業者や日本国内の職人に正当な対価を支払っており、その意味で意義のある価格。ただお客さんはそうした理由だけでなく、モノ自体に価値を感じて購入する。お客さんが本当に求めているものは何か、一人ひとりのストーリーを大切にしたい」と星代表は力を込めた。