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地方創生と生涯学習を融合 全国に広がる「熱中小学校」

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SB 2018 Tokyo

左から堀田氏、中村氏、川嶋氏

サステナブル・ブランド国際会議のスペシャル・イベント「地方創生と生涯学習を融合――全国に拡がる『熱中小学校』がSBに」に登壇したのは、オフィスコロボックル代表で熱中小学校用務員の堀田一芙氏とヒューマンセントリックス代表取締役の中村寛治氏。ファシリテーターはJBpress編集部創業者兼編集主幹の川嶋諭氏がつとめた。(オルタナ編集部=中島 洋樹)

セッション冒頭では、ファシリテーターの川嶋氏が「熱中小学校」の概要を説明。

地方創生への取り組みとして、山形県にある廃校となった小学校の利活用を打診されたことがこのプロジェクトの発端だ。同校がドラマ「熱中時代」のロケ地であったことから、「熱中小学校」と名付けられ、以後、全国で8校を開校、教員数140人、生徒数1600人(2018年3月1日現在)に規模を拡大。今年さらに4校が開校予定であり、大人の学び舎として、学び・刺激・きっかけを提供する場をつくることをコンセプトとしている。

続いて、熱中小学校の人気講師でもある堀田氏と中村氏が熱中小学校の授業内容と魅力についてプレゼンテーションを行った。

同校人気講師であるヒューマンセントリックスの中村寛治代表取締役は、熱中小学校が大事にしていることとして、以下の5点を挙げた。

1.楽しいこと
2.多様性がある人がいること
3.刺激と感動があること
4.「輪」の広がりがあること
5.そこに「あなた」がいること

「もう一度7歳の目で世界を」をテーマに、各校で月1―2回の授業が行われており、「人と人とのつながり」を重視。授業では、言葉による説明が難しい場合に、視覚に訴えることが有効であることから、動画を用いており、その効果を「動画力」と名付けているとした。各分野の講師陣は交通費、宿泊費等以外ボランティアで活動に参加。受講生が普段ではなかなか接点を持てないような講師の授業を受けることができ、気軽にやり取りができる点が最大の魅力ではないかと力を込めた。

同校代表・用務員の堀田一芙氏は、本プロジェクトの発足のきっかけについて、2011年3月11日に発生した東日本大震災で「自分に何かできないか」と考えた際、「見ず知らずの人の助けになるために、新たな仕組みがつくれないか」という視点を持ったことだったと語った。そして、人口5000人弱の北海道・常呂地区出身者が中心で、先の冬季五輪で銅メダルを獲得したカーリング日本女子チームを例に、「どんなに規模が小さくても、何らかの人的な支援があれば、地方でも夢を叶えることは可能だ」と持論を展開した。

プレゼンテーション終了後の質疑応答では、来場者から熱中小学校に関連する質問が多数寄せられ、活発なやり取りののちに本セッションを終えた。