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サステナビリティをどうブランディングに取り込むか

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SB 2018 Tokyo

左から森 摂・オルタナ編集長、福本ともみ・サントリーホールディングス執行役員、英Futerraのソリティア・タウンセンド共同創業者、クリント ナバレス・P&G広報渉外本部 執行役員

「サステナビリティをどうブランディングに取り込むか?」と題したセッションには、サステナブルなブランドの先進事例として、サントリーとプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)が登壇した。(瀬戸内 千代)

進行役を務めた森摂・オルタナ編集長が、「なぜサステナビリティに取り組むのか」と問うと、サントリーとP&Gは両社とも「社外だけでなく、インターナル(社内)ブランディングのため」と答えた。

P&Gのクリント・ナバレス広報渉外本部執行役員は、「ミレニアル世代に、目的をもって働きたい、ビジネスを変えていきたいと願うイントラプレナー(社内起業家)タイプが増えている。彼らの期待に応えるためにも、サステナビリティの枠組みで付加価値を生み出すことが必要だ」と言う。

P&Gグループは、特にアフリカや南米、中東に若い社員を多く抱える。サステナブルな活動は、消費者や社員の参加はもちろん、NGOやメディア、提携企業など「周囲を招き入れるほどパワフルになる」(ナバレス執行役員)。

サントリーは「利益三分主義」という創業精神に基づき、福祉や文化、芸術など社会に還元してきた120年の歴史を持つ。ブランドに対する信頼を得られたことによって、社員に誇りが生まれていることを「今、肌身で感じている」と、サントリーホールディングスの福本ともみ執行役員コーポレートコミュニケーション本部長は語る。その誇りが、「社内での一体感の醸成や、周囲に褒められることによるモチベーション向上、もっと言えば、イノベーションにもつながる」と話した。

多様性がキーワードに

おむつや化粧品など、女性向け商品を多く扱うP&Gのナバレス執行役員は、同社で重要な概念として、「ジェンダー」を挙げた。

英コンサルティング会社フテラの共同創業者のソリティア・タウンセンド氏はダイバーシティー(多様性)に関連するキーワードとしてLGBTについても語った。

ナイキのLGBTプライドコレクションなど、レインボーカラーに彩られた商品の写真を示し、「ブランドが社会的な問題に対して声を上げる消費者に手を貸している事例」と紹介した。

瀬戸内 千代 (せとうち・ちよ)

海洋ジャーナリスト。雑誌「オルタナ」編集委員、ウェブマガジン「greenz」シニアライター。1997年筑波大学生物学類卒、理科実験器具メーカーを経て、2007年に環境ライターとして独立。自治体環境局メールマガジン、行政の自然エネルギーポータルサイトの取材記事など担当。2015年、東京都市大学環境学部編著「BLUE EARTH COLLEGE ようこそ、「地球経済大学」へ。」(東急エージェンシー)の編集に協力。