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「食卓により安全を」海藻のエコ認証が運用開始へ

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MSC(海洋管理協議会)とASC(水産養殖管理協議会)が共同で基準を策定した海藻のエコ認証の運用が、3月1日から始まる。世界的に海藻の生産量が急激に伸びる中、より安全な海藻を食卓に届けるために認証制度を求める声が高まっていた。運用開始直前の現在、審査機関には生産業者からの問い合わせが複数件あり、これまでMSC認証やASC認証のカテゴリ外だった海藻の、効果的なトレーサビリティの確保が期待される。(オルタナ編集部=沖本啓一)

「ASC・MSC海藻基準」をクリアすると認証が与えられる。ラベルは生産過程によって、ASCマークかMSCマーク、もしくは両方を付与する(提供=海洋管理協議会)

海藻のエコ認証は2017年11月にMSCとASCが共同で策定した。海洋生態系において、海藻の果たす役割が認識される一方で、世界的に海藻生産が急速に伸びている。農林水産省のデータによれば、国内の2016年の海藻類全体の収穫量は39万9300トンで、前年比で6.8%増加。このうち、のり類が7.8%増、わかめ類は8.9%増と、主要な海藻類は前年比10%増に迫る勢いだ。

収穫量が増加するに伴い、持続可能で、社会的に責任ある海藻生産の認証制度を求める声も高まっている、とMSCは説明する。天然の魚介類のエコ基準はMSCが、養殖の魚介類の基準はASCがそれぞれ策定しているが、海藻は他の海産物と違い、天然と養殖の区別が明確に分けられないケースもあることから、「ASC・MSC海藻基準」が策定された。同基準では海藻の生産過程で天然と養殖の扱いを整理し、最大33の業績評価指標への適合が検証される。

運用開始が間近に迫っている中、第三者認証機関には具体的な申請の手続き方法や費用などについて、複数の問い合わせがあるという。3月1日の運用開始と同時に認証の取得を申請する生産業者が現れることも考えられる。トレーサビリティが確保された、より安心・安全な海産物の流通に向けて期待が高まっている。

沖本 啓一(おきもと・けいいち)

オルタナ編集部
好きな食べ物は鯖の味噌煮。