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スターバックスが東京・目黒に「サステナブル店舗」

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天竜ヒノキを使った大きなテーブルは「バリスタ体験」などワークショップにも利用する

スターバックスコーヒージャパンが、東京・目黒に多様な客層が過ごしやすい環境配慮型店舗をオープンした。内装やテーブルにはコーヒー豆かすを有効利用したリサイクルボードや森林認証を取得した国産材を使う。店内にはキッズスペースを作り、車椅子でも使いやすい動線を整えるなど、多様な客層に配慮した。同社は同店舗をモデルにして、環境配慮型に加え、ダイバーシティやコミュニティとのつながりを意識したサステナブルな店づくりを目指す。(箕輪弥生)

1月26日にオープンした「スターバックスコーヒー目黒セントラルスクエア店」は、木材をふんだんに使い、自然を感じる内装が特徴だ。中でも静岡県・浜松市にある天竜のFSC認証林から調達したヒノキを天板に使ったテーブルや、高知県産の丸太のスツールなど国産木材の利用が目立つ。壁の一部は、セメント素材にコーヒー豆かすを混ぜたリサイクルボードを建材メーカーと共同開発し、使用した。

同社ではこれまでも多量に廃棄されるコーヒー豆かすのリサイクルには積極的な取り組みを行ってきた。2014年からは乳牛の飼料や野菜のたい肥としての利用を行い、近年ではバイオマスエネルギーとしての活用法も研究している。同店でもこの飼料やたい肥を利用した乳製品や野菜を使い、食品リサイクルループを完成させている。

障がいを持ったアーティストの作品が、コーヒー豆かすをリサイクルした壁面に並ぶ

運営面でも環境負荷を抑えるため、アルバイトを含めると3万人に及ぶ従業員にEラーニングを通じて環境教育を徹底している。

しかし、同店はこれらの環境配慮だけではない。「地域やコミュニティに対して影響を持ち、メッセージを発信する店舗として位置づけている」と店舗デザインを担当した同社店舗設計部の有田花絵氏は話す。

それを象徴するように、店内には子供が安心して遊べるキッズスペースを設け、壁面は障害を持ったアーティストの作品を飾る。車椅子でも動きやすいレイアウトとし、スタッフはハンディキャップを体験する講座を受けるなど、多様な客層が共存できる店作りを追求した。

「今後は環境に加え、コミュニティにも貢献するトータルでサステナブルな店づくりを目指したい」と同社サプライチェーン本部 店舗衛生・環境推進チームの普川 玲マネージャーは今後の店作りの方向性を示唆した。

箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に「地球のために今日から始めるエコシフト15」(文化出版局)「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。

http://gogreen.hippy.jp/