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障がい者雇用数過去最高:精神障がい者の雇用広がる

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厚生労働省は12日、障がい者雇用の調査結果を発表した。民間企業の障がい者雇用数は、過去最高の約49万5000人。前年と比べて4.5%の増加となった。なかでも精神障がい者の割合が大幅に伸び、前年比19.1%増の約5万人と広がりをみせている。精神障がい者の雇用は来年4月から雇用義務の対象に含まれるため、企業には就労環境の整備など対応が求められている。(辻陽一郎)

障がい者雇用はこれまで知的障がい・身体障がい者が雇用義務の対象となっていた。だが、改正障がい者雇用促進法で、精神障がい者も対象とすることが2013年に発表された。2012年には約1.7万人だったが、企業は少しずつ精神障がい者雇用を増やしていった。来年もさらに精神障がい者雇用が広がることが見込まれる。

障がい者の就労支援を行うLITALICO広報グループの飯(いい)遥氏は「精神障がいの方は、環境の適応が難しい方もいれば、体調の波がある方もいます。出勤時間・出勤日の調整や安心して相談できる担当者を置くなどの制度・環境を整えることが、就職後の定着にもつながっていきます。ただ、精神障がいの方は一人ひとり症状が異なるため、一概にこの対策が万能であるとはいえません。個別に見て、合理的配慮のもとに対策を進めていただきたいと考えています」と話した。

同社のような就労支援機関と定期的な三者面談を行うことも働き始めの時期の環境適応には重要だ。社内に心理士を置いて精神面をサポートしたり、一般社員向けに障がい者への理解を進める資料を作るという対策を行う企業もある。

障がい者雇用数は過去最高で14年連続で増加している。厚労省は調査を従業員50人以上の企業9万1024社などに対して行い、法定雇用率2.0%を達成した企業は約5割だった。一方で、一人も雇用していない企業が約3割という課題もある。

辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

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