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リコー・積水ハウスも加盟、関心高まるRE100とは

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積水ハウスはこのほど、「RE100」への加盟を発表した。RE100は「Renewable Energy(再生可能エネルギー)100%」から名付けられた国際的な構想。ここに加盟する企業は事業で利用する電力を「再生可能エネルギーによる電力」のみに限定するという目標を掲げる。2014年から開始され、今年10月末時点で、世界では113社が加盟している。日本企業は4月に加盟したリコーに続き、積水ハウスが2社目となる。(オルタナ編集部=沖本啓一)

RE100は国際環境NGOのThe Climate GroupがCDPと提携し、2014年に開始したビジネスイニシアチブ。加盟する企業は、事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる。再生可能エネルギーとはバイオマス(バイオガスを含む)、地熱、太陽光、水、風力のこと。原子力発電や火力発電は含まれない。

RE100の目的

100%再生可能エネルギーでの事業運営によって、世界のエネルギー市場の変革を加速し、低炭素経済への移行を支援する。

RE100への参加

参加には下記2点の要綱がある。

1.100%再生可能エネルギーでの事業運営をグローバルに宣言
事業所単位ではなく、企業全体での達成を宣言する。多くの企業は達成計画を作成する。達成の方法は以下の2通りのオプションから選択する。

・自身が所有または管理する設備から再生可能な電力を生産(自家発電)
・市場の発電機および供給業者から供給される再生可能な電力の調達(購入)

購入にあたっては、電力会社、電力購入協定(PPA)または再生可能な電力証書とのグリーン電力契約のいずれも可能。

2.進捗状況の報告
進捗はCDPのClimate Changeアンケートを通じてRE100に毎年報告する。再生可能電力の消費と生産は、信頼性と透明性の要件を満たし、第三者によって検証されていなければならない。

企業の参加状況

グローバルではネスレ、アップル、google、コカ・コーラ、バーバリーなど、分野を問わず有名企業が加盟している。日本企業では今年4月にリコー、続いて10月に積水ハウスが加盟し話題になった。全世界の加盟企業は2017年10月末時点で113社。

続々と加盟企業が拡大し、SBT(Science Based Target: 科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出量削減目標)と並んで気候変動の課題に取り組む企業の指標となりつつある。

加盟意義と日本の課題

RE100に参加することは企業の「意思表示」にとどまらない、持続可能な発展に向けた「行動」だ。その社会的なインパクトは大きく、機関投資家の注目度も非常に高い。

2015年時点で米マイクロソフトなどグローバル企業11社が既に目標を達成している。国内の再生可能エネルギーについては、供給の不安定さや送電の問題など課題が提示されているが、リコーは2050年、積水ハウスは2040年にそれぞれ再生可能エネルギー利用率100%を達成する方針を打ち出している。

中長期で計画を立て、実現に向け着実に歩みを進めることが重要だ。大容量蓄電池など、技術的なイノベーションにも期待が持てるだろう。取り組みを行う企業が増えれば、企業間の連携も可能になる。

積水ハウス常務執行役員 環境推進部長 兼 温暖化防止研究所長の石田建一氏はRE100加盟に際し「居住時の脱炭素化、企業活動の脱炭素化をお客様と一緒に進める」と話した。企業だけでなく、消費者の意識が変わることも求められている。

沖本 啓一(おきもと・けいいち)

オルタナ編集部
好きな食べ物は鯖の味噌煮。