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パソナグループ、自力の地方創生を促すサービス開始

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佐賀市長の秀島敏行氏(中)、プロモーション大使・歌手の吉武大地さん(左)、俳優の宇都宮直高さん(右)

人材派遣大手パソナグループの関連会社地方創生(東京・千代田)は20日、「地方まるごと売り込みサービス」を開始した。地方自治体や地方企業の首都圏におけるPR活動のプロモーションや販売支援を行い、第一弾として東京駅前に「佐賀市ビジネスハブ」を開設した。同社の代表取締役社長・近江淳氏は「地方の魅力を等身大に伝えるカスタムメイドの施策が必要。地域が自らの対策を考え始めるきっかけをつくる」と話した。(オルタナ編集部=沖本啓一)

株式会社地方創生は、社名が示すとおり「地方創生」を本業としている。これまでも岐阜県山県市のシティプロモーションや、秋田県の湯沢雄勝エリアへの移住支援事業など、地方自治体や地方企業のPR活動などを支援してきた。今回サービスが開始された「地方まるごと売り込みサービス」は、これまでのメディア発信などの広報活動支援に加え、東京駅前のパソナグループの本部ビル「JOB HUB SQUARE」を活用した幅広いサービスを提供する。

特徴的なのは依頼する地方自治体や地方企業に合わせたプロモーション形態をとることだ。同サービスの第一弾「佐賀市ビジネスハブ」では、アンテナショップを持たない佐賀市のニーズに応え、パソナグループの約4000人の社員が利用する社員食堂でのテストマーケティングや、同市職員の東京圏出張時の拠点として、オフィス機能を持つ「地方創生ラウンジ」を提供する。

株式会社地方創生の代表取締役社長・近江淳氏

株式会社地方創生の代表取締役社長・近江淳氏は以前、株式会社パソナ(現パソナグループ)の広報部に在籍していた。小さな自治体だと活動を全国に伝えることは難しく、良い文化や価値観を持っていても活用するためのチャンスを生かし切れていないと感じていた。地域の社会的な意義や価値を、どう伝えるかをテーマに、株式会社広報戦略室(現株式会社地方創生)を立ち上げた。

培った民間の広報のノウハウと、パソナのJOB HUB SQUAREビル内の複数スペースを使えることは強みとなっている。パソナは人材派遣会社だが、UIターン就職支援事業の経験から、地域と人をマッチングすることにも展開しやすかった。近江氏は「地方にはキラリと光る魅力が必ずある。それを能動的に発信し、具体的な課題から必要なサービスを提供します」と話す。

「現場に入り込み、地域の人がどういう想いで活動しているのかを把握することが大事です。地域の魅力を等身大に伝えるためのカスタムメイドのサービスを提供し、地域と一緒に課題に向き合い、何が必要かを模索します。そうすることで、地方自治体が自ら考え、行動するきっかけになります」(近江氏)

「株式会社地方創生」は一方的にサービスを売るだけではなく、地方創生の補助輪のような役割を目指す。地方創生に必要なことは、地方自治体が自ら課題に向き合い、考え行動することだろう。

沖本 啓一(おきもと・けいいち)

オルタナ編集部
好きな食べ物は鯖の味噌煮。