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ネスレとファンケル、共同で健康支援の抹茶飲料開発

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ネスレ日本の高岡浩三CEOとファンケルの池森賢二会長


ネスレ日本とファンケルはこのほど、不足しがちな栄養成分を食生活から診断し適切なビタミンやミネラルを補給できるサービス「ネスレ ウェルネス アンバサダー」向けの抹茶飲料を共同で開発したと発表した。両社は、消費者が日々の食生活を見直すことによって健康寿命を延ばしていく一助にしたい考えで、今後も製品・サービスの共同開発を進めていく方針だ。(オルタナ編集部=小松遥香)

ネスレとファンケルは共に「栄養と健康の課題解決」を創業の原点に持つ。ネスレは1867年、乳幼児の栄養不足を解消するために粉ミルクを開発。ファンケルは1982年に添加物による化粧品公害の解決のために無添加化粧品を開発し、事業を興した。

ビジネスを通じた社会的課題の解決を掲げる両社は、高齢化社会の中で伸び悩む健康寿命を延ばすことを共に課題として認識しており、今回の協働に至った。

新商品の発表会に登壇したファンケル創業者の池森賢二会長は、「健康寿命をいかに伸ばせるかは、病気を持って生き続ける期間をいかに短くするかということだ。健康寿命を1年でも2年でも延ばすことで、日本の42兆円を超す高額な医療費を商品開発によって解決していきたい」と語った。

「ネスレ ウェルネス アンバサダー」は、ネスレ日本が今年3月から開始したサービス。インターネット上の専用サイトで、不足しがちな栄養素を診断し、必要な栄養素をその時々の体調に合わせて手軽に補えることが特徴だ。すでにビタミンやミネラルの配合バランスがそれぞれ異なる4種類の抹茶カプセル「ネスレ ウェルネス抹茶」は販売されていたが、今回、ファンケルの監修のもとで製品設計を見直し、飲みやすさと美味しさも追及した。

新たに加わった商品は、ファンケルのヒット商品でシリーズ累計4900万個以上を売り上げる「カロリミット」の成分を配合した抹茶カプセル「ネスレ ウェルネス抹茶 カロリミット」。全粉乳を使った、コラーゲンや食物繊維を含む3種類のミルクカプセルも登場した。ミルクカプセルと抹茶カプセルを併用し、抹茶ラテをつくることも可能だ。全種類15個入り、税別1350円で定期購入することができる。

いずれは小売店でも購入可能に

ネスレ日本の高岡浩三CEOは、健康寿命の延伸について「単に病気にならず長生きするだけではなく、いかに心も身体も若々しく元気で暮らしていくかだ」と説明。高齢化が進む日本社会で、病気の予防のために健康診断を毎年受けられない人たちが増えることを例に挙げて、「ウェルネス アンバサダーという大きなビジネスモデルの中で、そうした問題への解決策をサービスとして継続的に提供していきたい」と話した。

ネスレ日本は今年の下半期から、ポリフェノールを多く含む抹茶を健康食品と捉え、菓子や飲料の種類を増やし、抹茶事業を拡大する方針を掲げている。抹茶市場のシェアのみならず市場規模自体の拡大を目指しており、近く「ネスレ ウェルネス抹茶」と同量の栄養素を含んだ4種類のキットカットも発売する。

高岡CEOは、今後、ウェルネス アンバサダーを小売店でも展開していくことを視野に入れていると語り、「小売店でなければ受けられないサービスを準備し、Eコマースとの差別化をしていく。すでに全国のドラッグストアには案内をしており、準備段階にある。アマゾンの進出で将来を不安視する小売企業にとっても期待できるビジネスモデルになるだろう」と説明した。

小松 遥香

オルタナ編集部。アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。趣味は、大相撲観戦と美味しいものを食べること。