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国連、最新のSDGs報告書を発表――加速化が必要

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国連は7月17日、SDGs(持続可能な開発目標)の進捗をまとめた最新報告書「持続可能な開発目標(SDGs)報告2017」を公式発表した。アントニオ・グテレス国連事務総長は、「多くの国で進捗が遅れており、SDGs達成のためには取り組みを加速させる必要がある」と語っている。(オルタナ編集部=小松遥香)

報告書によると、現在、世界では、約7億6700万人が極度の貧困にあたる国際貧困ラインの1日1.90米ドル以下で暮らしている。地域では、サハラ砂漠以南に次いで、オーストラリアやニュージーランドを除くオセアニア諸国、中央・南アジア、南米・カリブ諸国の順に貧困率が高い。

国連は、取り組みの加速化が必要な分野として、5歳以下の子どもの死亡率や妊産婦死亡率の高さなどを挙げた。報告書によると、2016年時点で、5歳以下の子どもの栄養失調による死亡者数は約1億5500人。妊産婦死亡率に関しては、取り組みが進んでいるものの、いまだに30万3000人の女性が妊娠や出産過程で亡くなっているという。また、政府開発援助(ODA)は過去最高額の1426億円に達しているものの、後発開発途上国への二国間援助は3.9%下がっていると報告した。

取り組みが公平に進んでいない領域として、女性が男性の3倍の時間を家事に費やしていることや、自然災害による経済損失の差が経済力のある国とそうでない国では大きいこと、重度の障がい者のうち28%しか障がい者年金を受け取れていないことなどを指摘している。

報告書の中で、呉紅波・国連経済社会問題担当事務次長は、「年齢、貧困、性別、生まれた場所などさまざまな条件の中で最もぜい弱な立場にいる人たちの抱える課題を解決することが、貧困をなくし、世界中のすべての人に繁栄をもたらす上で不可欠だ」と述べている。

小松 遥香

オルタナ編集部。アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。趣味は、大相撲観戦と美味しいものを食べること。