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日本のミレニアル世代「企業や社会に期待しない」

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imaege credit:Matthew Kenwrick

デロイト トーマツ コンサルティングは、ミレニアル世代を対象に政治や経済、働き方などについて調査した「2017年デロイト ミレニアル年次調査日本版」を発表した。ミレニアル世代は働き方やワークライフバランスへの関心が高く、柔軟な勤務体制を好むという傾向がみられた。だが、日本のミレニアル世代は海外に比べて、会社への帰属意識が低下、政治や経済の改善を期待していないなど、悲観的に考えていることがわかった。(オルタナ編集部=松島 香織)

「2017年デロイト ミレニアル年次調査 日本版」は、30か国およそ8,000人のミレニアル世代を調査した「デロイト ミレニアル年次調査」の翻訳に、日本のミレニアル世代300人への調査結果のサマリーを加えた報告書だ。回答は1982 年以降生まれで、単科大学または総合大学の学位を取得しており、フルタイムで、主に民間の大企業で働いている人を対象としている。

回答者の条件について、「世界をどう見ているかに加え、企業に何を期待しているか、働き方についても調査したかったため」と、同社の広報担当者は説明した。

海外のミレニアル世代は、英国のEU離脱投票や米国大統領選の結果を受け、雇用の安定を求めて会社への帰属意識が高まる傾向にある。自国の経済について45%が「今後12か月の間に改善する」と回答をしたのに対し、日本は18%が「改善する」と回答した。社会や政治的状況に関しては、海外では同様に「改善する」と回答したのは36%で、日本は17%だった。

小野隆執行役員は、日本のミレニアル世代が世界各国の同世代と真逆の傾向となったことを、以下のように分析している。

・日本ではEU離脱や米国大統領選の実感としての変化、社会動向がさほど感じられないため、結果として不安感に起因する、組織への帰属意識を高める力が海外ほどは働きにくかったと考えられる。(一方で海外では、それらの変化を実感として感じやすい状況にあることから、雇用の安定性を求める方向、すなわち帰属意識が高まる方向に変化したと考えられる。)

・加えて、日本において、社会的大義への貢献や、仕事の自動化や柔軟な働き方については、実際に職場で感じられる機会がまだ少ないと考えられる。この結果、帰属意識の向上に働く状況になりにくいと考えられる。

松島 香織 (まつしま・かおり)

サステナブルブランド・ジャパン デスク 記者、編集担当。
アパレルメーカー(販売企画)、建設コンサルタント(河川事業)、
自動車メーカー(CSR部署)、精密機器メーカー(IR/広報部署)等を経て、現職。