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丸紅や三菱重工、英国の大型洋上風力事業に参画

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丸紅が出資、事業参加する英国ヨークシャー州沖の洋上ウインドファーム

英国の大型洋上風力発電事業で日本企業の存在感が高まっている。丸紅は、英国東部沖の210メガワットの発電容量を有する事業に出資、昨年から運転を開始した。三菱重工業は8メガワットと世界最大の発電能力を持つ発電機をデンマーク企業と共同開発し、2017年中にリバプール市沖合で32基の稼働を予定している。英国ではこの10年で洋上風力の設置機運が高まり、現在、導入量では他国を圧倒している。

英国では、2020年までに7千基以上の洋上風力発電を設置し、国内の全消費電力の約3分の1をまかなうという大きな目標を掲げている。政府が洋上風力発電に力を入れる背景には、島国のため海岸線が長く、偏西風による安定した風況を得られることや、周辺に比較的浅い海域が広がるなど洋上風力発電を推進する好条件に恵まれていることがある。

英国政府は、2000年初頭から洋上風力の開発を行っているが、計画推進の中で、日本企業の存在感が増している。

丸紅は、11年に英国の南東部沖合で、173メガワットの「ガンフリート・サンズ洋上風力発電事業」に参画したのに続いて、昨年から運転を開始したヨークシャー州沖の「ウェスタモスト・ラフ洋上風力発電事業」(210メガワット)にも出資、事業運営を行っている。本事業は、6メガワット風車35基を使い、英国15万世帯以上の電力需要に対応する。

事業運営は、洋上風力エネルギー分野で世界最大の企業ドン・エナジー社と共同で発電所の建設・運転・保守を行う。また、風車メーカーとしては世界最大のシェアをもつ独シーメンス社が風車タービンの供給及び保守を担うなど、洋上風力では実績のある企業2社とタッグを組んだ。

丸紅事業担当者は「洋上風力事業をけん引する英国において事業者としての実績を確立することは、今後欧州含め、全世界での事業機会の獲得につながる」と話す。

一方、三菱重工業はリバプール市の沖合での洋上風力発電事業において、8メガワットと世界で最大の発電能力をもつ洋上風力発電機を、デンマークのヴェスタス社と共同で開発した。同発電機32基を洋上に設置予定で、17年から運転を開始する。発電能力は256メガワットで、イギリスの標準家庭で18万世帯分の電力を供給することができる。

両社とも日本の福島沖に建設中の洋上に浮かぶ浮体式洋上ウインドファームの実用化に向けた実証実験に参加するなど、欧州で蓄積したノウハウを日本でも活用している。

箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に「地球のために今日から始めるエコシフト15」(文化出版局)「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。

http://gogreen.hippy.jp/