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コクヨのベトナム販社である「コクヨベトナムトレーディング」は、関西大学と共同で、ベトナム人の日本語学習者向けに「日本語練習ノート」を開発し、5月からベトナムで販売を開始した。ベトナムでは留学や現地日系企業への就職を目指し、日本語を学習する人が増加している。関西大学の学生たちが現地調査し、学習ノートのニーズを見出した。ホーチミン市内の日本語学校にサンプルを配布するなどして、リピート購入につなげる考えだ。
コクヨベトナムトレーディングは既にキャラクターを模したノートを発売しているが、ベトナムで日本語の学習熱が高まっているものの、そのニーズに適したノートが市場に無いことに注目した。
同社は、2014年から関西大学のグローバル社会のニーズに対応できる人材を養成する「グローバル企業体感プログラム」に参画。「日本語学習ノートを企画する」をプログラムのテーマにし、参加した学生たちがマーケティングリサーチを実施した。
3日間のワークショップで、関西大学の学生15人とホーチミン工科大学の学生約10人が4チームに別れ、ホーチミン工科大学、ドンズー日本語学校、HIKARI Academyで計500名の学生にインタビューを行った。その結果から学生たちは、商品アイデアをコクヨベトナムトレーディングの担当者に提案し、担当者からアドバイスを受け、再提案を行うというプロセスを経た。
ノートは漢字の練習がしやすいように、実線のマス目の中に点線で十字が入っていたり、右側にベトナム語訳を書くスペースを作るなど工夫がされている。広報室の尾方隆子さんによると、実際にノートを使用している学生から、大変な好評を得ているという。
初回販売分は、茨城県国営ひたち海浜公園の「ネモフィラ」を表紙にしている。表紙内側には、表紙写真の解説記事を、裏表紙内側には日本語練習ノートの使い方と関西大学留学生別科の説明記事などを掲載している。
表紙写真は外国人旅行者を獲得したいと考えている自治体に協力してもらい、日本各地の魅力の認知を進め、インバウンド需要が増えることを見込んでいる。
松島 香織(まつしま・かおり)
サステナブルブランド・ジャパン ニュースサイトの立ち上げメンバーとして参画。その後2022年12月から2025年3月まで、デスク(記者、編集)を務める。