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「ミレニアル世代」ターゲットのホテル、渋谷に誕生

The Millennials Shibuya ロビー


合理的で多様性を受け入れ、身軽さと自由を求める世代――。80年以降に生まれたミレニアル世代向けのライフスタイルホテル「The Millennials Shibuya(ザ・ミレニアルズ渋谷)」が先月、東京・渋谷で開業した。コワーキングスペースも併設する。首都圏を中心にソーシャルアパートメント(交流型賃貸住宅)を運営するグローバルエージェンツ(東京・渋谷)が運営。同社にホテルの経緯や今後の方針について話を聞いた。(オルタナ編集部=小松 遥香)

渋谷では、近年のライフスタイルや選択肢の多様化を象徴するさまざまなホテルが誕生している。昨年5月、「ソーシャライジング(自分らしく、無理せず等身大で、社会的な目的を持って生活すること)」をテーマにした「TRUNK HOTEL(トランクホテル)」が開業したことを皮切りに、今年2月には、ライフスタイルブランドkoeが運営する「hotel koe Tokyo(ホテル コエ トーキョー)』と宿泊施設を併設する徳島県のアンテナショップ「Turn Table(ターンテーブル)」が相次ぎ開業した。

グローバルエージェンツは2017年7月、ミレニアル世代をターゲットにした最初のホテル「ザ・ミレニアルズ」を京都・河原町に開業した。同社を創業した山﨑剛社長はゴールドマン・サックス証券出身、自身も1982年生まれのミレニアル世代である。平均年齢29歳というミレニアル世代の社員の感覚を参考にホテルづくりをしていると、昨年、オルタナ編集部の取材に語っている。

ミレニアル世代向けライフスタイルホテルとは

2号店となる「ザ・ミレニアルズ渋谷」は渋谷区神南の10階建てビルの3―10階にある。合理的で多様性を受け入れ、身軽さと自由を求めるというミレニアル世代向けの同ホテルは、客室もロビーもシンプルで機能性が高く、共用スペースがホテル面積の20%を占める。

「ホテルの客室に机やトイレがあってもあまり使われません。その分、交流の『場』づくりとそこから生まれるさまざまな可能性に期待し、キッチンやコワーキングスペース『and work』など共用スペースを充実させています」と広報の吉田主恵さんは説明する。

セミダブルサイズのリクライニングベッドが置かれたカプセルホテル式の客室「スマートポッド」では、リクライニングや照明などスマートポッド内の機能はすべてiPodで操作する。起床時のアラームも、音が鳴るのではなく、リクライニングベッドが起き上がる仕組みになっている。宿泊料金は1泊あたり6000円前後。開業して間もないが、現在の稼働率は80%で、海外からの滞在者の割合が多いという。

スマートポッド

しかし「ザ・ミレニアルズ」の特徴は、新しさやIoTを駆使した機能性だけではない。最大の特徴は、ミレニアル世代が求めるライフスタイルの実現を後押しするホテル自体の機能性にある。

「これからの時代は、暮らすことや泊まること、遊ぶこと、働くことの垣根がますます低くなっていきます。どこでも仕事ができる時代になり、ライフとワークは切り分けるものではなくなっています。旅の仕方も、かつてのパッケージツアー型のものから大きく変わっています。『暮らすように泊まり、遊ぶように働き、働きながら旅をする』ことが当たり前の時代に、ホテルはライフスタイルの拠点になると考えています」と吉田さんは話す。

併設されるコワーキングスペース「and work」は、朝6時30分から翌1時まで利用ができ、1時間800円、1日3000円からだ。仕事の途中で休憩をとりたくなった際は、有料で客室を使うこともできる。イベントでの使用も可能で、同ホテルも定期的にトークイベントを主催していく予定だ。

コワーキングスペース「and work」。写真奥には会議室とテレフォン・ブースがある

グローバルエージェンツの考える「持続可能な社会」

「各個人が自己実現にまい進できる社会を、ホテル事業を通してつくっていきたい」と吉田さんは語る。その言葉通り、グローバルエージェンツは、世の中に新しい価値を生み出し、文化を創ることをミッションに「文化創造企業」を掲げる。

同社は、持続可能な社会について「誰もが多様な情報・多様な人脈・多様な機会にアクセスでき、組織に過剰依存することなく自身の軸を持ち、互いに尊重のもと自己実現にまい進していける社会」と定義する。「そのために潜在または顕在する社会課題を本質的に見据え、新しいライフスタイルの提案によってそのような社会を実現していきたい」とミッションを説明している。

なお17時30分から18時30分はフリービールタイム。滞在者だけでなくコワーキングスペース利用者も自由にビールサーバーを使い、ハートランドビールを飲むことができるという。

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小松遥香(こまつ・はるか)

株式会社オルタナ オルタナ編集部 
アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。サステナブル・ブランド ジャパン(SB-J)担当。趣味は、大相撲観戦と美味しいものを食べること。

「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。