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第21回:押し寄せるZ世代の波(1)

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SB-J コラムニスト・山岡 仁美

1995〜2010年の間に生まれた世代、「Z世代」の第一波が、学校を卒業し、社会へ出て来る時代となりました。すでにこの世代は、全世界で20億人も存在します。

「デジタル・ネイティブ」と呼ばれる彼らを、次代を牽引するヒューマンリソースとして意識し始める企業が出て来ている、彼らがこれから就くであろうと予測される職業が発表される、など、新しい世代への注目度が確実に高まってきています。

1980年前後から2005年頃にかけて生まれた世代「ミレニアル世代」を巻き込む仕掛け以上に、「Z世代」の台頭は、社会課題としても注目を集め始めています。

彼らの特徴として、次の5点が挙げられます。

1) デジタル・ネイティブ。
2) 社会課題への意識が高い。
3) 本質に価値基準を置く。
4) プライバシーを重んじる。
5) 起業家精神が旺盛。

生まれた時にはすでにインターネットがあり、情報がすぐそこにあることが当たり前のこととして育った彼らは、ミレ二アル世代以上にデジタル・ネイティブです。

子どもの頃からスマートフォンを手にし、当たり前のように、端末上で複数の画面を操り、SNSよりも、クラウドサービやスライブストリーミングなどを使って、文化や価値観、社会情報、さらにはソーシャル活動をシェアする世界で育って来た世代です。
言わば、情報取得能力が優れているのです。

そんな情報職能力がある彼らが育った時代には、世界的に大きな出来事も多々あり、当然、その大きな出来事についての情報も取得しています。例えば、9.11.や3.11.やISIL、難民問題などを身近に捉え真に考える機会を得ているのです。
だから、社会課題への意識や本質へのこだわりがあるのです。

また、従来型のデジタルには慣れているとともに、デジタルが及ぼすリスク(例えば、SNSでの炎上、個人情報の拡散、デジタル広告の信憑性など)についても認識しています。
故に、プライバシーを重んじ、自分を守るための確固たる領域や価値観を作り上げる傾向があります。

従って、単に、社会や組織の一員でいるよりも、起業家精神が旺盛です。

Z世代の第一波、1995年生まれは、今年で23歳。
学業を終え、社会へ出てきています。

言うまでもなく、彼らを巻き込み、活かすことが、私たち社会の先輩たちの責任ではないでしょうか。言い換えれば、Z世代を巻き込み活かすことができなければ、未来は拓かないことでしょう。

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山岡 仁美
山岡 仁美(やまおか・ひとみ)

グロウス・カンパニー+ 代表取締役
航空会社勤務を経て、人材派遣会社の研修企画担当に。その後、人材育成への意欲から、大手メーカー系列のコンサルティング会社に移り、人材育成に関する開発・販促・広報などのマネジャー職から企業研修部門の統括部長までを務める。1000社ほどのコンサルに携わった後、独立。ビジネスフィールドの豊富なキャリアで様々な人材や組織づくりと関わり続け、自身の出産・育児との両立での管理職・起業などの経験から、多様性を活かす着眼点が持ち味である。 コンサルタント、研修講師、講演と多方面で活躍中。そのテーマは「課題解決」「リーダーシップ」「アサーション」「ネゴシエーション」「キャリアデザイン」「ダイバーシティ」「リスクマネジメント」など幅広い。

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