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真のダイバーシティを考える

第18回:小さな会社でもできる週休3日制 (1)

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SB-J コラムニスト・山岡 仁美
Photo:Breather

日本社会でのダイバーシティに目を向けると、深刻な人口減少に対峙するためには、出張も残業も休日出勤も転勤や単身赴任もいとわない人たちの労働力だけでは経済は成り立たず、育児・介護・年齢・キャリア・障がいの有無・国籍など、ともすると制限ともされてきた人たちの労働力が欠かせないことは周知の事実です。本コラムでもかつて記したことがあります。

そこで、制限ともされてきた人たちも含め、活躍できる環境を構築していく手立てとして、「働き方改革」が挙げられます。言うまでもなく、「働き方改革」は一億総活躍社会の実現に向けたひとつのチャレンジでもあります。

働き方改革というと、時短や育児・介護休暇だけではなく、年次有給休暇の促進や障がい者雇用など、大手企業のように余力がないととてもできないと捉えている人が散見されますが、決してそんなことはありません。

制度や施策以前にできる「仕事の無駄を省く」「働く場所を自由にする」の2点に集中するだけで、劇的に「働き方改革」は進むのです。

「仕事の無駄を省く」例えば、会議は参加メンバーが疲弊しがちな運営になっていたり、定時に帰る人に大きな仕事は任せづらかったりしていませんか。

「働く場所を自由にする」例えば、営業担当者は基本的に直行直帰ではなく一旦は出社する、役員室があるのは当たり前、ではありませんか。

会議は、スカイプやテレビ会議システムは今や一般化していますが、そもそも開催する意味から見直す必要もあります。一定のゴールに向けて、メンバーの建設的な協議の基、全員の合意を要するものが会議であり、単なる定例会であればそれは無駄と捉えることができます。

定時に帰るということは、終わりの時間が決まっているということ、レンジが明確ということです。投下時間を勘案し、大きな仕事を任せたら、生産性の高い進捗となるかもしれません。

外出がちな従業員に直行直帰が続くと業務の管理ができないという声をよく耳にします。オフィス内やデスク上やはたまた顔を合わさないと管理ができないとすれば、マネジメントの仕方そのものを見直すべきでしょう。

多くの役員を見てみれば、役員室に年中こもりきりということはないものです。この際、役員室も役員席も撤廃したらいかがでしょうか。社内文化が変革するきっかけになるかもしれません。

実は、弊社のような小さな会社でも今年から週休3日制を導入しました。次回は、そのエピソードをご紹介予定です。

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山岡 仁美
山岡 仁美(やまおか・ひとみ)

グロウス・カンパニー+ 代表取締役
航空会社勤務を経て、人材派遣会社の研修企画担当に。その後、人材育成への意欲から、大手メーカー系列のコンサルティング会社に移り、人材育成に関する開発・販促・広報などのマネジャー職から企業研修部門の統括部長までを務める。1000社ほどのコンサルに携わった後、独立。ビジネスフィールドの豊富なキャリアで様々な人材や組織づくりと関わり続け、自身の出産・育児との両立での管理職・起業などの経験から、多様性を活かす着眼点が持ち味である。 コンサルタント、研修講師、講演と多方面で活躍中。そのテーマは「課題解決」「リーダーシップ」「アサーション」「ネゴシエーション」「キャリアデザイン」「ダイバーシティ」「リスクマネジメント」など幅広い。

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