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真のダイバーシティを考える

第11回:ミレニアル世代の働き方が常識になる

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SB-J コラムニスト・山岡 仁美

ミレニアル世代(Millennial Generation=2000年以降に成人、あるいは社会人になる世代)。この世代は、がむしゃら、ガツガツといった「仕事への執着心が少ない」というイメージがある方も多いのではないでしょうか。

実際に、世界最大の会計事務所であり、世界四大会計事務所(Big Four)のひとつであるプロフェッショナルサービスファーム「デロイト・トウシュ・トーマツ」が行った29カ国のミレ二アル世代を対象に実施したアンケート調査によると、ミレニアル世代の44%は「良い選択肢があれば、今後2年以内に現在の雇用先から離職してもよい」と回答していて、期間を2020年までに伸ばすとその数字は66%にまで及び、職場や雇用への執着は低いことがわかります。

しかしながら、一方では、フルタイムで働く約3,200人を対象にした「デロイト・トウシュ・トーマツ」の別の調査で、副業をしていると答えたのは全体の29%、18歳から24歳は約39%、25歳から34歳は約44%。ミレニアル世代の副業率は全体の29%よりもはるかに上回っています。ミレニアル世代は、就業時間以外でも労働をいとわない働き者が多いのです。

本業と副業と分け隔てることなく、それぞれの仕事に情熱を注ぐ『スラッシャー』という働き方をする人が増えてきているのです。職場や雇用への執着が低いとされるミレニアル世代ですが、社員優位のケースが多い日本について考えれば、企業側も正規雇用という枠にとらわれない雇用形態に関心があり、力も注いでいる状況が散見されるようになってきました。となると、お互いにとって都合の良い関係になれる『働き方』が今後増えると予想できます。

そこで求められるのは、雇用主、つまり企業や会社の高い順応力です。そのひとつとして、企業に求められるのが『フレキシビリティ』な環境づくりが挙げられます。残業時間の短縮やフレックスタイム制度の導入と同様に、これからますます増えていくのが『テレワーク』でしょう。

環境を整えれば、いつでもどこでもオフィスと同じように仕事が進められ、労働時間の無駄を省くことが可能、このような働き方をITの面からサポートする企業も多く、例えば、JAL(日本航空)では、昨年の活用者は4000人を越え、しかもその7割が男性、3割が管理職。昨年は「テレワーク先駆者百選」にも選出されました。

ワークライフバランス(均衡)ならぬ、ワークライフハーモニー(調和)を重視し、仕事に意義を見出せなければすぐ次の道へ向かうという特徴を持つこの世代を活かすために、今後は企業の柔軟性が、その経営課題として問われていくことは必然です。

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山岡 仁美
山岡 仁美(やまおか・ひとみ)

グロウス・カンパニー+ 代表取締役
航空会社勤務を経て、人材派遣会社の研修企画担当に。その後、人材育成への意欲から、大手メーカー系列のコンサルティング会社に移り、人材育成に関する開発・販促・広報などのマネジャー職から企業研修部門の統括部長までを務める。1000社ほどのコンサルに携わった後、独立。ビジネスフィールドの豊富なキャリアで様々な人材や組織づくりと関わり続け、自身の出産・育児との両立での管理職・起業などの経験から、多様性を活かす着眼点が持ち味である。 コンサルタント、研修講師、講演と多方面で活躍中。そのテーマは「課題解決」「リーダーシップ」「アサーション」「ネゴシエーション」「キャリアデザイン」「ダイバーシティ」「リスクマネジメント」など幅広い。

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