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サステナブル・ブランドの作り方

第6回:NGOだってブランディングしている(1)

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SB-J コラムニスト・足立 直樹

こんにちは、サステナブルビジネス・プロデューサーの足立です。今月12月のはじめ、私はメキシコのカンクンに出張してきました。生物多様性条約の第13回締約国会議、いわゆるCOP13という国際会議に参加するためです。

国際会議に出ることがブランディング!?

条約の締約国会議と言えば、もちろん主役は締約「国」で、日本からも関係省庁の職員の方々や、環境副大臣などが参加していました。しかし、国同士が交渉する会議には各国の代表団以外もオブザーバーとして参加できますし、本会議以外にもサイドイベントと呼ばれる様々な集会が行われ、この分野の専門家や企業、NGOなどが一堂に会するとても貴重な機会でもあるのです。

特に生物多様性条約では条約事務局が企業を巻き込むことに非常に熱心であるので、生物多様性とビジネスフォーラムというイベントを開催し、多くのビジネス関係者が集まります。私もビジネスフォーラムといくつかの企業関連のサイドイベントに参加してきました。

ところで、こうした国際的な会議やイベントに参加することは、その分野に関係がある企業としては非常に意義があることをご存知でしょうか?そういう場には世界中の専門家や先進的な企業が集まるので、この分野における最先端の出来事を知ったり、今後の流れを占うためにとても役立つのです。

しかしそれ以上に重要なのは、世界的にも著名で影響力のある専門家が集まる場で、自社の考え方や活動内容を紹介することが、とても良いブランディングになるからです。自社の考え方を世界に広めるのに、これほど効率の良い方法はないと言ってもいいでしょう。

ただ残念なことに、こうした場に参加する日本企業の数は極めて限られているのが現状です。参加して最新の情報を直接収集するだけでも役に立ちますが、ぜひ積極的にこうした場でスピーカーとなって、自社のブランディングに役立てていただきたいと思います。

そうした観点から、私自身も自分の専門分野の大きな国際会議やイベントには、なるべく時間を作って参加し、話もするようにしています。

今回はその中で、ブランディングに関連してとても興味深い講演を聞きました。専門会議でブランディグそのものの話が出るのは珍しいことですが、この連載の読者の方はむしろそちらの方に興味があるでしょう。そこで今回は、ブランディングについて語った、あるNGOのことをご紹介したいと思います。

環境NGOと言えば、自然保護を専門に活動している団体なのだから、何をやっているかは簡単にわかる、ブランディングなんて必要ないのではないか。あなたはそう思われるかもしれませんね。

しかし、一口に環境NGOと言っても、専門性や守備範囲、基本的な考え方やアプローチなど、実に千差万別なのです。そして自分たちの活動を支援してくれる方々を増やすためには、やはり自分たちの考え方やアプローチを正確に理解してもらう必要があるのです。

ですから、通常のビジネスと同様、やはりブランディングが必要なのですね。

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足立 直樹
足立 直樹 (あだち・なおき)

サステナブル・ブランド国際会議 サステナビリティ・プロデューサー。株式会社レスポンスアビリティ代表取締役。一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブ理事・事務局長。東京大学・同大学院で生態学を学び、博士(理学)。国立環境研究所とマレーシア国立森林研究所(FRIM)で熱帯林の研究に従事した後、独立。2006年にレスポンスアビリティを設立し現在に至る。2008年からは企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)事務局長も兼務。

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