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南米諸国の大学生、コロナ危機からの「より良い復興」のアイデア競う

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先の見えないコロナ危機が続く中、南米のコロンビア、コスタリカ、メキシコの数十人の学生起業家は国連環境計画(UNEP)の主催するコンテストに参加し、コロナ危機からの持続可能な復興「より良い復興(Build Back Better)」を実現するためのアイデアを生み出し、さらに進化させようとしている。(翻訳=梅原洋陽)

新進気鋭の現役大学生の起業家たちは、UNEP(国連環境計画)が実施する「持続可能なライフスタイルのためのイノベーション」と題したコンテストに取り組んでいる。25人の選抜者たちは後2ヶ月間、持続可能なビジネスアイデアを考案する。そして9月に審査員から選抜された3人(各国1人ずつ)は、スタートアップ・ブートキャンプで投資家たちと会うことになる。このコンテストは、持続可能性に取り組む若手スタートアップの育成を目指すもの。特に、コロナウイルスからの地域復興を支援するための、二酸化炭素の排出量の少ない移動手段や都市間移動ソリューション、環境に配慮したスマートビルや食糧システムといった専門分野が対象だ。

ラテンアメリカ・カリブ海地域(LAC)には、15〜29歳までの人口が約16億人暮らしている。すでに格差は広がっており、多くの非正規雇用者や脆弱な医療サービスの環境下で、地域で最も弱い立場にある人々が最も大きな打撃を受けている。

LAC地域へのパンデミックによる影響に関する国連の報告書によると、世界の他の地域と同じく、コロナウイルスにより地域経済の脆弱性が露呈し、既存の不平等を深刻化させているという。そして世界の他の多くの地域で見られるように、パンデミックにより、政策立案者や一般市民は地域経済をより持続可能にする方法を再考することになっている。

このイニシアティブは、主要経済国がパンデミックから復興するための効果的で総合的な戦略を模索するのと同じく、持続可能なイノベーションを加速することを目指している。5月には、カナダとEUがパンデミック後の復興計画として、持続可能性を中心に据えた計画を明らかにした。米国の”LEAD on Climate 2020”サミットでは、300人以上のビジネスリーダーたちがコロナウイルスと社会的危機に同時に取り組むよう議会に求めた。

UNEPのコンテストの勝者は、10月にコロンビアのロス・アンデス大学のアントレプレナーシップセンターが主催するバーチャルブートキャンプに参加する。勝者には1人3000米ドル(約32万円)の技術支援金と、未来の投資者やパートナーとなりうる投資家、ビジネスリーダーを前に、計画をプレゼンする機会が与えられる。

このコンテストは、EUが出資する「ラテンアメリカ・カリブ海地域における持続可能な消費促進(ICSAL)」プロジェクトの取り組みの一つ。同プロジェクトは、政府、企業、ステークホルダーと協働して、製品のデザインや消費者情報の持続可能性を高める政策実行を目指して活動を行う。

さらに、このプロジェクトはコロンビア、コスタリカ、エクアドル、メキシコ、パラグアイの4カ国で、共通のエコラベルを開発するためのイニシアティブ「アメリカ環境同盟」も支援している。