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ヤフー、再エネ100%目標年は3年後:「次世代任せにはしない」

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ヤフージャパンは19日、2023年度中にデータセンターなど事業活動で利用する電力の100%再生可能エネルギー化を目指すことを宣言した。またヤフージャパンを中核に置きアスクル(東京・江東)やZOZO(千葉・千葉市)などを束ねるZホールディングス全体でもRE100加入を見据え、100%再エネ利用での事業活動を盛り込んだ中長期目標を2021年度に発表する予定。Zホールディングス広報部は「時間が長ければ経営環境も変わり、取り組み自体も次世代に任せることになる。具体的な費用等も見積もって早急に対応する」と積極的な姿勢を話した。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局=沖本啓一)

Zホールディングス/ヤフー発表資料より

RE100加盟企業を始め、企業が目標年を定め事業で使用する電力を100%再エネ化する動きは昨今活発だが、19日に同様の内容を宣言したヤフーは目標年を「3年後」と宣言した。同社の持ち株会社のZホールディングスも再エネ100%化に向けて2021年度中に中長期計画を発表する予定という。グループの中核であり、グループ内の消費電力のうち75.4%(2019年度)を消費するヤフーが取り組みを先行するかたちだ。

現在Yahoo! JAPANが事業活動で利用する電力のうち、約95%がデータセンター、残りの約5%はオフィスなどで利用されている。すでに米ワシントン州のデータセンターでは供給電力を100%再生可能エネルギーで賄っているが、福岡県北九州市の「アジアン・フロンティア」、福島県白河市の「白河データセンター」のほか、Yahoo! JAPANが事業活動で利用する電力の100%を2023年度中に風力や太陽光などの再生可能エネルギーに変更するという。同社が保有するデータセンターに関しては電力会社より再生可能エネルギーを購入し、借りているデータセンターなどに関しては、グリーン電力証書の購入によって実現する。

米国ではすでに、再エネ由来の電力が石炭火力由来の電力より低コスト化している例もある。Zホールディングスとヤフーの宣言に関わるコスト、投資額については非開示ながら、利用者への負担増はないという。

目標年を3年後の2023年度中と設定した理由を、Zホールディングスの広報担当者は「時間が長ければ長いほど経営環境も変わるし、取り組み自体も次世代に任せることになる。具体的な費用等も見積もって、3年でできるのではないかと目処が立ったので、短い期間での達成を掲げた」と話す。ヤフーの執行役員でコーポレートグループ SR推進統括本部長の西田修一氏は、次のようにコメントした。

「(100%再エネ由来の電力調達により)Yahoo! JAPANのユーザーにも、より環境に配慮したサービスを提供できるようになる。今後は100%再生可能エネルギー化されたデータセンターをグループ企業で活用していくなど、ZHDグループ全体で再生可能エネルギーの導入および利用拡大を推進することで、企業価値の向上を目指す」

沖本 啓一(おきもと・けいいち)

フリーランス記者。2017年頃から持続可能性をテーマに各所で執筆。好きな食べ物は鯖の味噌煮。