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ニュージーランド

NZ大手スーパー、「レジ袋全廃」の動き加速

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レジ袋廃止後のスーパーの駐車場には、そこここに「エコバッグをお忘れなく」という看板が掲げられている=クローディアー真理撮影

ニュージーランドの大手スーパーで、法律施行に先んじて、レジ袋の全廃に向けての動きが加速している。大手のウールワースNZ社は先月15日、スーパー、カウントダウンのチェーン全店で「使い捨てレジ袋」の使用を止めた。別の大手、フードスタッフ社のニューワールドでも、同様の措置を準備している。日本では環境省が「レジ袋の有料化」の方針を打ち出したが、ニュージーランドのスーパーは一気に全廃する勢いだ。(クローディアー真理)

ニュージーランドでは、政府が決めた来年末までという期限を待たず、スーパーを中心に民間企業が続々と使い捨てレジ袋の全廃に踏み切っている。カウントダウンで5月に10支店で始まった撤廃は、段階を追って店舗数を増やし、8月末には全店舗の3分の1で、そして先月15日には全180店で実行に移された。

ニューワールドでは、昨年9月に顧客に対し、「レジ袋に課金するとしたら、10セント(約7円)、5セント(約4円)、無料のどれが妥当か」をアンケート調査した。すると課金に賛成する人が77%を占めると同時に、多くの人々から「全廃にすべき」との提言が殺到したという。この結果をもとに、ニューワールドでは、今年末までの全廃を決めている。

各スーパーでオリジナルのエコバッグを販売している=クローディアー真理撮影

スーパー側は顧客が不便を感じないよう、工夫を凝らす。カウントダウンでは、エコバッグを1NZドル(約73円)で販売し、それが使えなくなった時、無料で取り換えるサービスをしている。ニューワールドでは200万枚のエコバッグを用意し、買い物額に応じてプレゼントしている。

並行して商品のプラスチック包装を減らす試みも始まっている。カウントダウンの目標は、2025年までに自社ブランドの包装を100%再利用・リサイクルでき、生分解可能なものに替えること。それに向け、すでに活動を開始している。ニューワールドは、生鮮食料品を包装なしに陳列するための新たな棚の導入を始めた。

消費者はこの変化に、あまり戸惑いも見せずに順応しているようだ。レジ袋の撤廃を順調に進めるスーパーだが、さらに人々はスーパー側に、店内商品のプラスチック包装削減をより迅速に進めるよう求めている。

量り売りの果物などをビニール袋の代わりに入れるための袋。軽量なリサイクル素材でできている=クローディアー真理撮影
クローディアー真理

ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。