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「思いこみ」捨て個人もSDGs取り組みを―有識者が提言

「SDGs理解からアクションへ―パートナーシップで日本の未来をつくろう!」で講演する佐藤真久教授(3月8日、東京都内の日比谷図書文化館で)

SDGs(持続可能な開発目標)は企業での取り組みや認知が進んでいるとの調査結果があるが、一般的には今ひとつ浸透していない。環境省の「SDGsを活用した社会・環境課題同時解決支援事業」委員長で東京都市大学大学院の佐藤真久教授は都内で講演し、個人がSDGsに取り組むには「縦割り思考や思い込みを捨てること」が重要であるとし、「SDGsでつなげて考えるとプラスチックは海の問題ではなく生産方法や消費、ライフスタイルを含む」と話した。(松島 香織)

3月8日、千代田区立日比谷図書文化館が主催した「SDGs理解からアクションへ―パートナーシップで日本の未来をつくろう!」に登壇した佐藤教授は、SDGsの本質と狙いを理解せずに表面的に取り組む「SDGsウォッシュ」を危惧していると話し、「SDGsの本質を捉えてほしい」と指摘した。

佐藤教授は、SDGsの前段階であるMDGs(ミレニアム開発目標)と比較して説明した。2000年の国連サミットで採択され、2015年にかけて推進されたMDGsは、貧困や男女格差の解消など「ありたい社会」(持続可能な社会)を目指していた。

一方2015年に採択されたSDGsは、社会背景の変化からそれらに加えて気候変動やグローバル経済への対応も必要になり、「ありたい社会×ありうる社会」(持続可能な社会×レジリエントな社会)を目指す目標であると説明。問題が複雑化し、テーマを統合することや同時に解決することがSDGsの特徴のひとつであるとし、多様なパートナーシップで問題に対応できると話した。

さらにSDGsの17つの目標はロゴや円環で表現されることがあるが、今後はテーマの統合性や同時解決性などを踏まえた「動的で包括的なスパイラル(らせん)型でSDGsを捉えてほしい」と話した。最後にアルバート・アインシュタインの「問題を起こした時と同じような考え方では、どんな問題も解決できない」という言葉を紹介した。

社会課題解決型の事業開発や起業を支援するエンパブリック(東京・文京)の広石拓司社長は、「SDGs 達成の2030年に向けたこれからの10年、どのようにサステナブルな社会を作るのか。例えば気候変動について、それが分かってから対応しても手遅れ」「自分なりの未来を描いて自分なりに取り組みことが重要」と個人の積極的な取り組みを求めた。

参加者からは、「17の目標が自分とかけ離れ自分事にならない」「誰かが誰かを助ける構図なら今までと変わらない」「17の目標に文化的視点が抜けている」など、多くの意見が出た。佐藤教授は「ひとつひとつの文脈で見るのでなく、掛け算で解決策を探ることが大切」、広石社長は「SDGsは全ての国が参加出来るように考えられており、共通項を出したために文化や宗教観が薄れたと思う」などと答えていた。

松島 香織 (まつしま・かおり)

株式会社オルタナ 特約記者。
企業のCSRや広報・IR部署を経て、SDGs、働き方改革(ダイバーシティ)、地方創生などをテーマに取材中。