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昭和シェル、ANAとJALへバイオジェット燃料を初供給

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昭和シェル石油は9日、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)の運航便向けに、バイオジェット燃料を1月中に供給すると発表した。国内石油元売としては初めて。米ワールドエナジー社が使用済みの食用油から製造した燃料を使用し、米国内の空港で供給する。今後継続的な利用の拡大を目指している。昭和シェルはバイオジェット燃料の独自製造技術の開発や、国内での供給体制構築を進めており、市場への早期参入を進めたい考えだ。(オルタナ編集部=堀理雄)

バイオジェット燃料は、植物油や糖、あるいは木くずなどのバイオマス原料などから製造されるジェット燃料だ。従来の化石燃料由来のジェット燃料に比べ、生産・収集から燃焼までのライフサイクルにおける二酸化炭素の排出量が少なく、代替燃料として注目されている。

世界の航空会社の約8割が加盟する国際航空運送協会(IATA)は、2020年まで平均年1.5%の燃料効率改善、2050年までに2005年と比べて航空業界の実質CO2排出量を50%削減、などの環境目標を掲げている。そうしたなかで、バイオジェット燃料の温暖化対策への貢献が期待されている。

昭和シェルの広報担当者は今回の初供給を踏まえ、「継続的な利用拡大に向けて、引き続き取り組みを進めていきたい」としている。

同社は今回の海外での供給のほか、日本国内における供給体制構築や、独自の製造技術の開発などバイオジェット燃料の利用拡大に力を入れている。

2018年12月には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として、「純バイオジェット燃料製品化ワーキンググループ(仮称)」に参画。重工業メーカーや電力会社などと連携して、国内での供給体制構築を目指し検討を進めている。

また同社は東北大学との共同研究で、木材に含まれるセルロースなど、食糧と競合しないバイオマスを原料とした液体燃料の独自製造技術の開発を進めている。ジェット燃料の生成も視野に、2025年までの技術確立を目指す。

「ESG投資への関心が高まるなか、航空会社や運送会社などでもCO2削減が求められてきている。当社としても(そうしたニーズに)貢献していきたい」(同広報担当)