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日本郵船、グリーンローンで環境配慮型の燃料船建造

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日本郵船はこのほど、同社初のメタノール燃料船の建造資金を使途とし、太陽生命保険からグリーンローンとして20億円の借り入れを行うと発表した。グリーンローンは、2018年に定められた「グリーンローン原則」に適合し、環境に配慮した事業に対する資金の融資を指す。メタノール燃料船は、硫黄酸化物(SOx)の排出量が従来の重油に比べ99%削減され、窒素酸化物(NOx)は60%、粒子状物質(PM)は95%削減できるとされている。(オルタナ編集部=堀理雄)

船舶の燃料については、国際海事機関(IMO)が定める国際的な規制が2020年から強化されることが決まっている。燃料に含まれる硫黄分の規制値が現行の3.5%以下から0.5%以下となり、各海運会社は規制に適合する燃料油や液化天然ガス(LNG)などの代替燃料を利用するか、排ガス洗浄装置を使用するなどの対応が迫られている。

今回新たに建造を予定するメタノールを燃料とするケミカルタンカーは、硫黄酸化物(SOx)排出量を従来の重油使用時と比べ約99%削減でき、IMOの新規制を満たすもの。タンカーは全長183メートルで2019年の竣工を予定している。

グリーンローン原則は、環境に配慮した事業に対する資金の融資を対象に、2018年3月にローンマーケット協会とアジア太平洋地域ローンマーケット協会が共同策定した国際的なガイドライン。基本的なルールの枠組みは、2014年に債券分野として定められたグリーンボンド原則が踏襲されている。

今回のグリーンローンの外部評価を行った日本格付研究所は、「資金使途となるグリーンプロジェクトが大気汚染の防止や気候変動の防止、生物多様性の保全に貢献する」とし、最上位評価の「Green1」と評価している。

日本郵船は2018年5月、外航海運会社として世界で初めてグリーンボンドの発行を行い、環境負荷が低い液化天然ガス(LNG)燃料の活用などを進めている。

同社は持続的な成長に向け「安全」「環境」「人材」を重要課題と定め、企業価値と社会価値の創出を目指している。CO2排出量については、2015年を基準年とし、船舶・海上輸送からの排出量を輸送単位当たり2030年までに30%、2050年までに50%削減する目標を立てており、さらにサプライチェーン全体への波及効果として2030年までに40%、2050年までに70%の削減率を目指している。