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成田と関空、「空港カーボン認証レベル3」を取得

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年間4千万人を超える旅客が利用する成田国際空港では、「エコ・エアポート計画」を進めている(写真提供:成田国際空港)

成田国際空港と関西国際空港はこのほど、空港から排出されるCO2を低減するための国際的な空港カーボン認証制度のレベル3を相次ぎ取得した。プログラムは国際空港評議会が4段階で認証を行う。現在世界の約250の空港が参加して気候変動への対策を実行し、参加数は増えつつある。成田空港は空調、動力、照明などの設備を省エネタイプの機器に更新、関西国際空港は「水素エアポート」を目指すなど積極的なCO2削減に向けた取り組みを行う。(箕輪弥生)

成田国際空港及び、関西国際空港、大阪国際空港(伊丹)は11月末から相次いでCO2の管理や削減の状況を評価する制度である空港カーボン認証プログラムの「レベル3」を取得した。

同認証制度は国際空港評議会(ACI)によって作られたプログラムで、空港向けの国際カーボン管理基準としては唯一のものだ。認証は4段階で、「レベル3」は、空港関連事業者が排出した CO2も含めて算定し、空港全体のCO2 排出量の削減を計画する。最高位の「レベル3+」はカーボンニュートラルを達成することであり、現在世界で48の空港が達成を認められている。

認証を取得するための取り組みでは、空港でのエネルギー効率のよい照明や電気車両の導入、自然エネルギーの利用、エネルギー管理の向上などが行われ、CO2削減そのものに加え、排出削減の方法や技術を空港が相互に学ぶことも目的とされる。

成田国際空港は、「エコ・エアポート基本計画」を策定し、空港内でのLED照明の採用、高効率の空調、動力への更新、太陽光パネルや地中熱の活用、廃棄物リサイクルなどの統合的な施策により、CO2排出量の削減に取り組んでいる。加えて、大気質・水質・騒音などの測定にかかる消費電力分については「グリーン電力証書」を購入する。

「排出量削減に関する取り組みの範囲を空港全体に拡大し、空港全体の活動により排出されるCO2を把握し、削減に向けた計画を策定したことが評価された」と同社エコ・エアポート推進グループ川島光豊マネージャーは話す。

一方、関西国際空港は、大阪国際空港、神戸空港を含む関西 3 空港一体となって環境負荷低減に向けた活動を推進する。

関西国際空港ではターミナルのLED化、複層ガラスによる断熱強化、太陽光などの自然エネルギーの活用のほか、「水素グリッドプロジェクト」に着手し、空港の内外で利用する車両を燃料電池に切り替える一方、水素の供給設備も設置した。将来的には風力や太陽光などの自然エネルギーを水素の形で貯蔵し活用する計画だ。

関西国際空港が目指す「水素グリッドプロジェクト」の全体像。(出典:新関西国際空港)
箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に「地球のために今日から始めるエコシフト15」(文化出版局)「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。

http://gogreen.hippy.jp/