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イオンと中部電、太陽光発電の余剰電力をポイント交換

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イオンと中部電力が発表した新サービスの仕組み(出典:中部電力)

イオンと中部電力は住宅用太陽光発電の余剰電力をイオンの「WAONポイント」と交換できる新サービスを来年11月から始める。太陽光発電の固定価格での買い取りが終了する、いわゆる“卒FIT”顧客向けのサービスだ。中部電力が顧客から買い取った電力をイオンへ提供し、顧客にはイオンが相当分のポイントを贈与する仕組み。イオンは2050年 までに店舗で排出するCO2等を総量でゼロにすることを目指しており、余剰電力分をCO2削減に充てる。(箕輪弥生)

2019年11月以降、再生可能エネルギーの固定価格での買い取り(FIT)が順次終了する。こうした“卒FIT”後の電力は、小売電気事業者にとっては環境価値の見込める新たな電源になるため、買い取りサービスなどを発表する企業が相次いでいる。

その中で、中部電力とイオンが発表したお買い物ポイントに還元できる買い取りメニューは、顧客にとってわかりやすいサービスとして注目を集めている。中部電力と契約のある顧客向けに、FITが終了した顧客の余剰電力を中部電力が買い取り、電力を提供した顧客にはイオンから電力相当の「WAONポイント」を贈与する。顧客はポイント分を電子マネーに換えて買い物などに使えるという仕組みだ。

中部電力はFIT終了後をにらんで、顧客が発電した電気を様々な形で取引できる新しい参加型取引サービス「これからデンキ」を計画しているが、今回のイオンとの提携は、その中のメニューのひとつだ。

一方でイオンは2050年 までに店舗で排出するCO2等を総量でゼロにすることを目指しており、その目標に向けて「再エネを集めていきたい」(同社広報)と考え、両社の思惑が一致した。イオンでは、「今後も同じような形で他の電力会社との取り組みも検討し、再エネ転換による店舗の脱炭素化を進めたい」意向だ。

資源エネルギー庁によると、2023年までにFITの買い取り期間が終了する住宅用の太陽光発電は、累計約165万件、670万kWに達する。この電力を巡って蓄電池やEVを使った自家消費の促進から余剰電力の売電に関わるメニューまで、さまざまなサービス開発が加速していきそうだ。

箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に「地球のために今日から始めるエコシフト15」(文化出版局)「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。JFEJ(日本環境ジャーナリストの会)会員。

http://gogreen.hippy.jp/