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女性社長8年で倍増も、上場企業では1%にとどまる

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東京商工リサーチは「全国女性社長」の調査結果を8日発表した。同社の保有する約480万社の経営者情報から、女性社長(病院、生協などの理事長を含む)を抽出、分析。調査開始の2010年以降、女性社長は年々増加し、今回41万1969人と8年間で倍増した。一方で、上場企業の女性社長は39社と、全体の1%にとどまった。経営層という観点でみると、女性活躍はまだ課題が多いと言えそうだ。(辻陽一郎)

同調査を産業別にみると、女性社長が最も多いのは、化粧品メーカーや美容・介護関連企業を含む「サービス業」で全体の46%。サービス業は、小資本で起業可能な業種が多いことが要因だという。上場企業では、小売業が最多の9社、情報・通信業8社、サービス業は6社となった。

東京商工リサーチは「企業経営に限らず女性の社会進出を阻む壁となる育児や介護など生活面での支援や、男女全体の意識改革が進み、女性社長の増加に繋がることを期待したい」という。

国の第4次男女共同参画基本計画では、上場企業役員に占める女性の割合の目標値を「早期に5%、2020年までに10%を目指す」と定めている。2018年9月時点では4.1%となったものの、今後のさらなるアクションが求められている。

2016年に女性活躍推進法が施行され、今年度で3年経過するが、「男女共同参画白書」によると、「管理的職業従事者に占める女性の割合」は13.2%であり、米国43.4%や英国36.0%など、他国と比べて低い水準にある。女性活躍推進法では、施行後3年経ったら見直しをするとある。見直しにおいては、管理職への女性の登用、多様で柔軟な働き方の導入、仕事と家庭生活との両立やキャリア形成への支援等について、数値目標設定や情報開示の拡大、取組状況に応じた企業へのインセンティブの充実等について検討するとされている。

辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

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