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生活困窮者に無担保で少額融資、「グラミン」日本上陸

「融資だけでなく、就業や起業の出口を作る仕組みも重視したい」と話すグラミン日本の菅正広理事長

生活困窮者に無担保で起業や就労のための少額融資を行う一般社団法人「グラミン日本」が9月13日から融資事業を開始した。グラミン銀行はムハマド・ユヌス博士によって1983年バングラデシュで設立され、現在世界で900万人以上に融資の実績がある。日本でも同様に5人一組の互助グループをつくり、少額の融資や指導を行って自立を支援する方針。同法人は支援企業や行政と連携して就労を後押しする「SDGsコンソーシアム」も展開する。(箕輪弥生)

グラミン日本の融資の仕組みは、5人で互助グループを作ることや、無担保での少額融資(マイクロファイナンス)を行うなど、基本的な仕組みはグラミン銀行と同様だが、日本の貧困における課題や実態に合った方法で運営する。

その背景には、日本ならではの貧困があると同法人は分析する。先進国と呼ばれる日本だが、格差が広がり6人に1人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされている。19日の同法人設立パーティでは、特にシングルマザーの過半数が貧困という状況にあることや、親の貧困は子供の教育環境にも影響し、親の年収が低いほど進学率が低く、それが非正規雇用につながるという貧困の連鎖も報告された。

そのため、同法人では日本シングルマザー支援協会とも連携し、シングルマザーなど貧困状況にある女性の起業や就労の支援に力を入れる。グラミン銀行でも借り手の97%が女性であり、返済率も99%以上である。

仕組みは5人一組の互助グループをつくり、事前に5日間の金融研修を受ける。スタッフによる家庭訪問や就労意欲、起業計画などの確認の後、初回は上限20万円からの融資(グラミン・ローン)が開始される。融資後もフォローアップを行うセンターミーティングが定期的に行われ、必要に応じて融資額も増額される。

グラミン日本は、支援企業や団体との連携により、SDGsの目標1「貧困をなくそう」の推進を進めるためのコンソーシアムも来年1月設立に向けて動く。それにより働く意欲はあってもお金の余裕のない人に融資と仕事の機会の両方を提供することを目指す。グラミン日本の菅正広 理事長は「働き方の多様化に合わせた起業や就労のパターンを支援企業との連携で広げていきたい」と話す。

グラミン日本は、2017年に財務省出身で明治学院大学大学院の菅正広教授とグラミン創設者であるユヌス博士が合意し、約1年間の準備の後、設立に至った。準備には、100人以上のプロボノやボランティアが関わった。

箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・マーケティングプランナー・NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に「エネルギーシフトに向けて「節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。

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