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アシックスがSBT認定、スポーツメーカーで日本初

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アシックスはこのほど、同社のCO2排出量削減目標が「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」に認定されたと発表した。SBTは温室効果ガスの排出削減目標の達成を目的とした国際イニシアチブ。世界では126社目、日本企業としては26社目の認定で、スポーツメーカーとしては日本で初めて。同社は2030年までに、事業所におけるCO2排出量を2015年比で33%削減、サプライチェーンでのCO2排出量を製品あたり同比55%削減する目標を立てている。(オルタナ編集部=堀理雄)

SBTイニシアチブは、産業革命前に比べ地球の平均気温の上昇を2℃未満に抑えることを定めた「パリ協定」に向け、企業が提出する温室効果ガスの削減目標に科学的根拠があると認定するもの。国際環境NGOのCDPや国連グローバル・コンパクトなど4団体が2015年に設立した。日本では「企業版2℃目標」とも呼んでいる。

8月1日付けで認定された同社の目標は、2030年に向けた事業所におけるCO2削減目標と、サプライチェーンにおけるCO2削減目標の2点。

事業所におけるCO2削減については、エネルギー効率化をいかに進めるかが鍵になる。例えばアメリカでは、自社倉庫に1メガワットのソーラーパネルを設置し、倉庫のエネルギー需要の25%をカバー。また欧州ではエネルギー調達の集約と再生可能エネルギーへの切替を進めている。2017年度は約350万kWhを再エネに切替え、2016年度と比較し再エネ調達量は2倍以上となり、CO2排出量725トンを削減したという。

こうした効率化により、2017年度は2015年比ですでに17.5%のCO2排出量削減を実現している。

サプライチェーンを通じたCO2削減では、製品素材の改良にも力を入れている。例えば植物由来の次世代高機能素材「セルロースナノファイバー」を活用したシューズ開発、また染色時のエネルギー・水使用量を削減した技術の導入も進めている。サプライヤーとの連携強化では、再エネへの切替えや省エネルギー施策展開などを通じて、CO2削減目標の達成を目指す。


同社の広報担当者は今回の認定を受け、「今後も脱炭素社会に向けて、社内外の動きを一層加速させていく。将来世代にわたりより多くの人々を躍動的に、心身ともに健康的にすることを目指し、技術力を生かした取り組みや、お客様やサプライヤーの皆様を巻き込んだ活動を進めていく」と述べた。

樹木など植物由来の高機能素材「セルロースナノファイバー(CNF)」を活用したアシックスのランニングシューズ「ゲルカヤノ25」シリーズ。CNFは低炭素社会の実現にも貢献できる素材として注目を集めている。