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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Brands, PBC)

買い物ポイントを使った社会貢献プログラム多彩に

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フェリシモは買い物ポイントを活用し、コンゴのシングルマザーたちへの自立支援を行う

買い物で貯まるポイントを社会貢献に使おうという仕組みが多様化している。共通ポイントカード「サイモンズカード」を発行するサイモンズ(東京・中央区 斉川満社長)は有効期限切れで失効するポイントを地域活性化などに生かす仕組みを15年前から構築し、地方自治体も導入する。大手通販会社のフェリシモは、ポイントを活用したクラウドファンディングを実施。国内外の社会課題に対し、消費者が明確な支援意向を持つ仕組みを作る。(箕輪 弥生)

買い物に応じて企業が消費者に発行する国内ポイント市場は、生活の隅々にまで浸透している。

矢野経済研究所の調べでは、昨年度に約1兆8000億円にまで拡大、「第2の通貨」とも呼ばれるほどである。

失効するポイントを地域活性化に活かすサイモンズ

この拡大するポイントのうち、使われないで手元に眠ったままの未利用分を社会事業の運営資金に役立てようという仕組みを早くから構築したのが、サイモンズが運営する「サイモンズ・ポイントカードシステム」だ。

サイモンズは、会社設立時から「共通ポイントシステムを活用した共生ネットワークの創造」を目指し、企業や地域と一緒になってポイントカードのシステム開発に取り組む。会員数は拡大を続け、全国に140万人を超える。

北海道から沖縄まで同社の理念に共感した事業者は約500にのぼり、失効ポイントを自治体の税源にあてるなどして地域課題の解決に役立てるケースも多い。ポイントは全国にある約3千カ所の加盟店のどこでも貯まるため、ふるさと納税のように地域外からの支援を獲得することにもつながっている。

クラウド型寄付を行うフェリシモ

フェリシモは、買い物で貯まるメリーポイントを社会貢献活動に還元する仕組みを2002年から展開する。

これまでに国内外の社会課題に対して2億円以上の寄付が行われ、昨年度は紛争地域の子供たちへの支援や動物福祉など国内外130団体を支援した。

同社はこの仕組みをさらに進化させ、ポイントを寄付する顧客が支援するプロジェクトを選べる「メリーファンディング」を2017年11月から始めた。これは国内外の幅広い社会課題に対し、ポイントを持つ顧客に支援を呼びかけ、目標達成すれば支援を行う仕組みだ。

たとえば、2回目に設定された「コンゴのシングルマザーを支援するために足踏みミシンを15台送る」という目標に対しては169%を超えて目標額を達成し、支援が決定した。

同社広報部の中島健太郎部長代理は「予想していたより早く目標を達成し、手応えを感じた」と話す。同社は、「メリーファンディング」で支援を呼びかけた事業の経過をSNSなどによりきめ細かく情報発信し、顧客同士のつながりや共感を広げる試みも行う。

中島部長代理は、今後の意向について「メリーファンディングをはじめとした社会貢献型寄付を推進することで事業の社会性を高めたい」と語った。

箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に「地球のために今日から始めるエコシフト15」(文化出版局)「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。JFEJ(日本環境ジャーナリストの会)会員。

http://gogreen.hippy.jp/