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アップル向け製品をRE100で製造する国内企業が2社に

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アップル向け製品の電力を作る太陽グリーンエナジーの「嵐山大沼水上太陽光発電所」

今年4月に事業経営を再エネだけで行うことに踏み切った米アップルは、同社向けの製品を製造するサプライヤーにも再エネへの転換を強く推奨している。国内調達先ではイビデン(岐阜県大垣市)に続き、5月に太陽インキ製造(埼玉県嵐山町)が100%再生エネ化を宣言した。アップル向けにプリント配線板用の絶縁材を製造している太陽インキ製造は、工場に隣接するフロート式水上太陽光発電などによりアップル向け製造を行う。(箕輪 弥生)


米アップルは2016年に事業活動で使用する電力のすべてを再エネでまかなうことを目指す企業連合「RE100」に加盟し、今年4月に100%を達成した。同社は世界各地で風力や太陽光発電など25の再エネプロジェクトを持っており、15の新たなプロジェクトが完成すると1.4ギガワットを超える発電量となる。

アップルは同時にサプライヤーへの再エネ転換も求めており、太陽インキ製造をはじめ9社のサプライヤーが5月に加わり、計23社が再エネ100%でアップル向け製品を製造することを約束した。

太陽インキ製造は、アップル向けにプリント基板用の絶縁材となる「ソルダーレジスト」を製造している。

グループ企業の太陽グリーンエナジーが所有する、埼玉県嵐山町の2カ所にある水上太陽光発電所から得られる電力でアップル向け製品を製造する。

太陽グループでは「東日本大震災の経験を経て、製造業として、会社で消費する電力は再生可能エネルギーで全て賄えるようにすべきだ」という佐藤英志社長の考えのもと、アップルとの取り組み開始前から再エネへの取り組みを行っており、今回アップルが目指す方向と一致した。

一方、アップル製品向けの集積回路や電子部品チップを製造しているイビデンは、同社の事業所内にある水上メガソーラーを含む20ケ所の太陽光発電により、アップル向け製品を製造する。イビデンは、前身となる企業が100年以上水力発電に取り組んできた経緯もあり、小水力、コージェネ発電など再エネの導入には豊富な経験があった。

アップル向け製品を再エネで製造するこれらの企業は元々再エネに熱心な企業であったが、「RE100」に加盟する企業は130社を超え拡大しつつあり、サプライヤーに対して再エネ転換を求める企業は今後ますます増えていくことが予想される。

箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に「地球のために今日から始めるエコシフト15」(文化出版局)「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。

http://gogreen.hippy.jp/