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ネスレ、「ネコバス」を走らせ猫の譲渡会を開催

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ネスレ日本は9日、ペットフード事業部門「ネスレ ピュリナ ペットケア」を通じて猫の殺処分問題の解決を支援するため、猫の塗装を施したバスを活用し、移動式の保護猫の譲渡会を展開すると発表した。同社は4月14-15日、保護猫カフェを東京や大阪で運営するネコリパブリック(東京・文京)と共同で、本社を置く神戸市の「ネスカフェ三宮」で第1回の譲渡会を開催する。今後も、同バスを使った活動を継続していく計画だ。(オルタナ編集部=小松遥香)

環境省の調査によると、日本では年間約5万6000頭の犬・猫が殺処分されている。顧客の問題を解決するサービスの提供を目指すネスレ日本は、今回の活動を通し、猫ブームの影で社会的な問題になっている猫の殺処分問題の解決を支援し、保護猫と出会い、交流できる場を提供したい考えだ。

同社コーポレートアフェアーズ統括部メディアリレーションズ室の村田敦さんは、「保護猫の認知を拡大し、譲渡を促進するには、人が多く集まる都心部や街中で譲渡会を行うことが大事だと考えています。多くの動物愛護センターは中心部から離れていますから」と話す。

これまでもネスレ日本はペットの殺処分問題に取り組んできた。ネスレ ピュリナ ペットケアは2017年9月、神戸市が同年4月に施行した「神戸市人と猫との共生に関する条例」の事業実施団体「神戸市人と猫との共生推進協議会」に加盟。これを機に、同市のふるさと納税の返礼品として限定キットカットを提供し、神戸市の猫の殺処分を減らすための事業に寄付する取り組みを始めた。その他にも、キャットフードやドッグフードを定期購入すると売り上げの一部が動物の保護団体に寄付される「特別定期購入プラン」を販売するなどし、「殺処分ゼロ」に取り組む。

14-15日に開催する譲渡会「ネコのバス 猫カフェみたいな譲渡会」は、神戸市の動物保護団体「特定非営利活動法人神戸猫ネット」の立ち合いのもと、冷暖房を完備した「ネコのバス」の車内で行われる。猫を実際に飼うまでには、譲渡に適した住環境であるかなどを確認する面談を行った後、2週間の譲渡トライアル期間を経て、保護主と譲り受け希望者の間で最終合意するという一連の手順を踏む。

乗車券となる、オリジナルデザインの「キットカット」

「ネコのバス」での譲渡会に参加するには、乗車券として、オリジナルデザインの「キットカット」(税込500円)を購入が必要。売上金は、「ネコのバス」を活用した譲渡会を継続して実施していくための資金に使われるという。

ネスレ日本は、ペットフードを製造・販売するだけでなく、社会課題の解決に取り組むことで、ペットフードカンパニーから「真のペットケアカンパニー」へと発展したいとする。

小松 遥香

オルタナ編集部。アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。趣味は、大相撲観戦と美味しいものを食べること。