三菱総研、持続的成長へ新エコシステム構想
Image credit:Greentech Media
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三菱総合研究所(MRI)はこのほど、国内外の社会的課題を民間の事業で解決するプラットフォーム構想を発表した。「知識」「ビジネス」「共創」がキーワードだ。モノ、カネ、エネルギーなど有限の資源に依存してきた20世紀型ビジネスモデルから脱却し、持続的成長を目指した新エコシステムを構築する。
このプラットフォームの名称は、「未来共創イノベーションネットワーク」。同社が持つ国内外のネットワークを駆使して、企業やNPO/NGOなどの事業者に参加を呼びかける。このネットワークから、社会的課題を解決するビジネスモデルを生み出していく。2017年1月から開始する予定だ。
未来共創イノベーションネットワーク担当の須﨑彩斗 科学・安全政策研究本部産業イノベーション戦略グループリーダーは、環境に配慮した21世紀型のビジネスモデルを生み出すためには、「知識」「ビジネス」「共創」がカギだと言う。
20世紀、社会的課題への対応は主に公的機関が担ってきた。しかし、財政的な制約やスピードの問題などもあり、これからは民間企業による斬新なアイデアやビジネスモデルを活用したイノベーションを通じて、新たな価値をつくっていくことが社会的課題の解決に求められる。そして、このイノベーションを起こすためには、オープンイノベーションがキーだという。
未来共創ネットワークのエコシステム
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同ネットワーク活動の推進にあたっては、総合シンクタンクの強みを生かし、多様な専門知識を有する各研究員が組織横断的に参画し、同社の小宮山宏理事長をはじめ、外部の識者からの意見も取り入れながら構築していく。
特に同社が重点課題として定めているのは、医療・交通・環境エネルギー・防災・教育・食農の6分野だという。12月には同ネットワークを立ち上げる準備の一環として、「ウェルネス」(※)をテーマにしたビジネスアイデアコンテストを開く。
(※)「ウェルネス」とは、健康な心身ならびに社会生活を得て、より積極的・創造的な健康を目指し、維持・発展させようとする生活行動。