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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)
真のダイバーシティを考える

第35回:興味深いZ世代の琴線

SB-J コラムニスト・山岡 仁美

先日開催された、サステナブル・ブランド国際会議2019東京も盛況のうちに幕を閉じました。今年は、官公庁・自治体から多くの参加がありました。他には、ミレニアル世代・Z世代の参加により、例年以上のシナジーが感じられました。

1日目の3月6日に開催された、高校生と挑む地域課題解決プレゼンテーション「Rakuten IT School NEXT」では、サステナブルフードのランチをいただきながら、日本環境設計(東京・千代田 髙尾正樹社長)の展示協力である、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場するデロリアンを横目に見ながら、拙くも志ある高校生のソリューションプレゼンテーションを聴き、明るい未来の兆しを確認できる有意義な場でした。

高校生と言えば、過日、神奈川県藤沢市の湘南学園中学校高等学校の「SDGsフォトコンテスト」に触れる機会がありました。同校は、湘南学園ESD(Education for Sustainable Development)を掲げ、「持続可能な社会の担い手を育成する教育」を目指す私立中高一貫教育校のひとつです。その中、おのずとSDGsが学校や生徒一人一人の指標とされています。とりわけ、高校2年生の総合学習でのテーマはズバリ「SDGs」です。

これまで、SDGsに対しての意識や理解は差異が大きく、のらりくらりと取り組むことが否めなかった中、功を成したのが、この「SDGsフォトコンテスト」。

現代の中学・高校生はデジタルネイティブで、SNSを最強のコミュニケーションツールとして活用する世代です。そのような背景から、スマートフォンでSNS投稿できる写真、いわゆる「インスタ映え」する作品をコンテスト化したのです。研修旅行として訪れる北海道・北陸・関西・山陰・四国の各地それぞれで、SDGsと関連する作品を応募します。それらに対する投票はGoogleフォームを用います(生徒及び公開授業来場者による投票)。

エントリーや入賞結果を観ると、面白い側面がうかがえます。

私たちがSDGsと関連する写真を連想した場合、その多くは、深刻な海洋汚染の風景、劣悪な人権問題が垣間見える生産地、エネルギー開発の是非を問う工場地帯など、社会現象にクローズアップしたものを取り上げがちですが、彼らは違います。

例えば、鏡のように空を映す知床五湖(ゴール6「安全な水とトイレを世界中に」15「陸の豊かさも守ろう」と関連)、ラフティング時の躍動する吉野川(ゴール14「海の豊かさを守ろう」)、フェリー船からランプ越しに見る風景(ゴール9「産業と技術革新の基盤をつくろう」)、宿泊施設の学校(ゴール4「質の高い教育をみんなに」)などと、ともすれば、私たちが見過ごしたり、忘れがちな風景が刻まれているのです。

デジタルネイティブで、プライバシー保護(個を大切にする)の意識が高い、オンタイムでコミュニケーションを取る、音楽や画像をオンラインで消費する。そんな世代の彼らは、いとも簡単に表層的な情報に触れることができます。そしてそれを経て、本質に価値基準を置き、社会課題への意識が高い側面があり、私たちが見過ごしたり、忘れがちな、あるべき姿や本質を見極める力があるように思えます。さらに、個々人が拡散力を持つインフルエンサーでもあります。

彼らの琴線はどこにあるのか、それをくすぐり覚醒すること。私たち先人の大切な役割のひとつであると考えます。

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山岡 仁美
山岡 仁美(やまおか・ひとみ)

グロウス・カンパニー+ 代表取締役
航空会社勤務を経て、人材派遣会社の研修企画担当に。その後、人材育成への意欲から、大手メーカー系列のコンサルティング会社に移り、人材育成に関する開発・販促・広報などのマネジャー職から企業研修部門の統括部長までを務める。1000社ほどのコンサルに携わった後、独立。ビジネスフィールドの豊富なキャリアで様々な人材や組織づくりと関わり続け、自身の出産・育児との両立での管理職・起業などの経験から、多様性を活かす着眼点が持ち味である。 コンサルタント、研修講師、講演と多方面で活躍中。そのテーマは「課題解決」「リーダーシップ」「アサーション」「ネゴシエーション」「キャリアデザイン」「ダイバーシティ」「リスクマネジメント」など幅広い。

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